タンパク質濃度測定・ブラッドフォード法:
原理、プロトコールなど
experiments/protein/concentration_bradford
2018/12/11 更新
- 概要: Bradford 法とは
- Bradford 法の長所と短所
- Bradford 法のプロトコール
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概要: Bradford 法とは
Bradford 法は、SDS-PAGE 後の染色に使われる青い色素 Coomassie Brilliant Blue (CBB) と タンパク質 の結合を応用したタンパク質濃度測定法である。
CBB には、CBB G-250 と CBB R-250 の 2 種類があり、以下のように構造がわずかに異なっている (Ref 3, 4)。右上から 2 番目の炭素環にメチル基がついているのは G-250 で、こちらが Bradford 法に使われる。
CBB R-250 | CBB G-250 |
CBB G-250 は、酸性条件下において、以下のようにタンパク質構成アミノ酸と結合する (2)。
- 塩基性アミノ酸 (アルギニン、ヒスチジン、リジン) と静電的相互作用をする。
- N 末端にあるアミノ酸と静電的相互作用をする。
- 芳香族アミノ酸 (チロシン、トリプトファン、フェニルアラニン) と疎水性相互作用をする。
この相互作用によって、CBB G-250 の極大吸収波長が 465 nm から 595 nm にシフトする (2)。色の変化でいうと、赤紫色から青色である。595 nm の吸光度を測定することで、タンパク質量を定量するのが Bradford 法である。
定量範囲は 10 – 2,000 µg/mL であり、280 nm 法よりも高感度である。
Bradford 法の長所と短所
Bradford 法には、以下のような特徴がある (2)。
長所
- 280 nm 法ほどではないが簡単である。タンパク質溶液と混合し、室温で 1 分間静置するだけで測定可能になる (2)。
- 還元剤 (DTT、メルカプとエタノールなど) およびキレート剤に影響を受けない (2)。BCA 法および Lowry 法はこれらに影響される。
短所
界面活性剤の影響が大きい 。ただし、最近ではこの短所を克服したキットも販売されている。
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References
- Amazon link: Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Fourth Edition Cold Spring Harbor Laboratory Press.
鈴木 2018a (Review). 総タンパク質の定量法. ぶんせき.- By --Phillsox - selfmade by using Chemsketch 10.0 and Inkscape, Copyrighted free use, Link
- By Yikrazuul - Own work, Public Domain, Link