タンパク質濃度測定・BCA 法:
原理、プロトコール、長所と短所など
experiments/protein/concentration_bca
2018/12/11 更新
- 概要: BCA 法とは
- BCA 法の長所と短所
- BCA 法のプロトコール
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概要: BCA 法とは
BCA 法は、ビウレット法を改良したローリー法をさらに改良したタンパク質濃度の定量法である。
トリペプチド以上のペプチドまたはタンパク質を、Cu(II) を含む溶液とアルカリ条件下で混合すると、含まれる 窒素 原子がCu(II) を Cu(I) に還元する (2)。ビウレット法では、この Cu(I) の呈色を 540 nm 吸光度で測定する。
ローリー法では、ここにさらに Folin-Ciocalteu 試薬と呼ばれる試薬を加えるが、BCA ではビシンコニン酸 (bicinchoninic acid; BCA) を加える (2, 図は Ref. 3)。
BCA は Cu(I) に選択性の高い比色試薬であり、BCA 2 分子が Cu(I) に配位結合することによって 562 nm に吸収極大を示す錯体が生じる (2)。これが BCA 法の原理である。
BCA 法の長所と短所
BCA 法には、以下のような特徴がある (2)。
長所
- 定量範囲は 1 - 2,000 µg/mL で (2)、高感度でありかつダイナミックレンジが広い。
- 界面活性剤、尿素、塩化グアニジンなどの変性剤の影響を受けにくい。
短所
- 検出原理が錯体の生成であるため、EDTA、EGTA などのキレート剤に影響を受けやすい (2)。
- また、Cu(II) の還元も検出原理であるため、グルコース などの還元糖、DTT などの還元剤などにも影響を受ける (2)。
- 廃液に重金属である銅が含まれる。
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References
- Amazon link: Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Fourth Edition Cold Spring Harbor Laboratory Press.
鈴木 2018a (Review). 総タンパク質の定量法. ぶんせき.- By LHcheM - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, Link