解糖系および糖新生の調節機構:
律速酵素、ホルモンの影響など

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このページの最終更新日: 2020/04/07

  1. 解糖系の調節
    • ヘキソキナーゼによる調節
    • ホスホフルクトキナーゼによる調節
    • ピルビン酸キナーゼによる調節
  2. 糖新生の調節

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概要: 解糖系の律速段階

下の図 (2) は 解糖系 および TCA 回路 の関係を示したものである。解糖系にはエネルギー的に不可逆な酵素反応が 3 つあり、その 3 つの酵素が律速酵素となりうる (1)。

3 つの反応とは、以下の酵素で触媒される反応である。

これらの酵素の活性は、アロステリック制御リン酸化、転写調節など様々な方法で制御されている。しかし、実質的に解糖系の速度を制御しているのは PFK である。



ヘキソキナーゼによる調節

ヘキソキナーゼは解糖系の最初の反応を触媒する酵素で、グルコースを 6 位でリン酸化し、グルコース-6-リン酸 (G6P) を作る。上の図の HK である。

この反応は、以下の理由から解糖系の調節機構としてはあまり良くない (4)。

  • グリコーゲン分解によって生じる G1P は、HK の下流から解糖系に入る。したがって HK では制御不能。

以下のように、ヘキソキナーゼは PFK の制御を受けていると考えるのが妥当である。すなわち、G6P は筋肉で HX を阻害する (1)。

G6P の細胞内濃度が増えるということは、次の律速段階である PFK の活性が低下しているということである。つまり、HX が PFK の制御を受けて、上流の流れをコントロールしていると解釈できる。

HK 活性制御の詳細は、ヘキソキナーゼのページにまとめている。このページの最初にある 3 つの酵素へのリンクからどうぞ。


ホスホフルクトキナーゼによる調節

このうち、PFK および PK の活性が多くの分子によって調節される。図 (3) に、代謝産物による PFK および PK の調節がまとめられている。


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糖新生の調節

また、糖新生 は基本的に解糖の逆経路であるが、エネルギー的に不可逆な HK, PFK, PK の反応では図のように迂回経路を通る。この迂回反応を触媒する酵素 fructose 1,6-bisphosphatase、PEPCK, ピルビン酸カルボキシラーゼの 3 つの酵素も、やはり複数の代謝産物による制御を受けている。

糖新生の最初のステップを触媒するピルビン酸カルボキシラーゼは、アセチル CoA によって活性化される。糖新生が必要となる状況 (基本的には絶食) では、脂肪の分解が進み細胞内にアセチル CoA が過剰な状態になっている。


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References

  1. Berg et al. 2006a. (Book). Biochemistry, 6th edition.

Berg, Tymoczko, Stryer の編集による生化学の教科書。 巻末の index 以外で約 1000 ページ。

正統派の教科書という感じで、基礎的な知識がややトップダウン的に網羅されている。その反面、個々の現象や分子に対して生理的な意義があまり述べられておらず、構造に偏っていて化学的要素が強い。この点、イラストレイテッド ハーパー・生化学 30版 の方が生物学寄りな印象がある。

英語圏ならば学部教育向けにはややレベルが高い印象。しかし、基本を外さずに専門分野以外のことを 研究レベルで 英語で読みたいという日本人には非常に適しているだろう。輪読とかにも向いているかもしれない。翻訳版はストライヤー生化学として売られている。


  1. "TumorMetabolome" by Kathleen A Vermeersch, Mark P Styczynski - DOI: 10.4103/1477-3163.113622; PMID: 23858297. Licensed under CC BY-SA 3.0 via Commons.
  2. Regulation of Glycolysis & Gluconeogenesis Link. Labeled for "reuse" in Google image search.
  3. Link: Last access 2020/04/05.

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アップデート前、このページには以下のようなコメントを頂いていました。ありがとうございました。

2017/04/27 20:17 すごい充実度です