配糖体 (glycoside) とは

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このページの最終更新日: 2024/12/15

  1. 概要: 配糖体とは

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概要: 配糖体とは

配糖体 glycoside とは、ピラノース環をもつ糖に、非炭水化物が結合したものをいう (1)。なお、ピラノース環とは、グルコース の環のような炭素原子 5 個と酸素原子 1 個から成る環のことである。

たとえば、図 (Public domain) は decyl glucoside で、グルコースに炭化水素基が結合している。

デシルグルコシドの構造

また、以下の図はサリシン salicin という別のグリコシドである。糖の部分はグルコースで、そこにベンゼン環を含むサリチルアルコールが結合している。

サリシンの構造

グリコシド結合

配糖体の糖成分と非糖成分との結合は グリコシド結合 glycosidic bond である。

グリコシド結合とは、糖とその他の物質が 脱水縮合 して形成する共有結合であり、たとえばグルコースと エタノール では以下のような反応である。生成物はエチルグリコシド。

グリコシド結合の形成

なお、グリコシド結合すると糖は鎖状構造をとることができなくなる。

配糖体関係の用語集

配糖体に関係する用語をまとめておく。

アグリコン
Aglycone

配糖体の非糖成分のことをいう。上のサリシンなら、サリチルアルコールがアグリコンである。グリコシド形成時に水として放出される -OH も含めた完全な構造のことをアグリコンと呼ぶようである。

グリコン
Glycon

配糖体の糖成分をグリコンという。これも、H を含めた糖のこと。

グルコシド
Glucoside

グリコシド glycoside のうち、糖の部分 (グリコン) がグルコースであるものをグルコシド glucoside という。

グリコシダーゼ
Glycosidase

グリコシドを分解する 酵素 をグリコシダーゼ glycosidase という。

グルコシダーゼ
Glucosidase

グルコシドを分解する酵素。

References

  1. WANI Dictionary, glycoside.Link: Last access 2023/03/09.
  2. Amazon link: ストライヤー生化学: 使っているのは英語の 6 版ですが、日本語の 7 版を紹介しています。参考書のページ にレビューがあります。
  3. Amazon link: 岩波 理化学辞典 第5版: 使っているのは 4 版ですが 5 版を紹介しています。

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