肥満: 定義と臨床的側面について

other_topics/obesity/obesity
肥満に関する上位のページです
2018/03/01 更新


  1. 概要: 肥満の定義と現状
  2. 肥満により引き起こされる病気
  3. 肥満の原因
    • 肥満と食習慣
    • 肥満と「頭の良さ」
  4. 肥満対策


広告

概要: 肥満の定義と現状

このページでは、臨床的な視点から肥満に関する情報をまとめます。生物学的な視点からの脂肪組織、脂肪細胞などについては、以下のページを参考にして下さい。


日本での肥満の定義と現状

日本肥満学会の基準では、肥満は body mass index (BMI) によって定義されている (1)。統計的にもっとも病気にかかりにくい BMI = 22 を標準とし、25以上が肥満である。

BMI の算出方法は次の通り。

BMI = 体重 (kg)/[身長 (m) ]2


肥満には 1 度から 4 度までの段階があり、BMI に応じて次のように定められている。

  • 低体重: 18.5未満
  • 普通体重: 18.5 以上 25未満
  • 肥満 (1 度): 25 以上 30未満
  • 肥満 (2 度): 30 以上 35未満
  • 肥満 (3 度): 35 以上 40未満
  • 肥満 (4 度): 40 以上

アメリカでの定義と現状

> アメリカでは、成人の約 30% が BMI > 30 kg/m2 の肥満である (2)。


肥満により引き起こされる病気

妊娠、出産に関係したリスクとして、排卵障害 ovulatory disorder、受胎率の低下、早期流産、奇形率の増大が挙げられている (4)。ただし、多くは肥満の人の卵子を使った場合であり、肥満でないドナーの卵子を使った人工授精では、これらのリスクは低下する。したがって 肥満は卵子の質を低下させる ことが示唆される。


広告

肥満の原因

食習慣

食生活が肥満の一因であることは、さまざまな association study によって示されている。

> 子供の食習慣と肥満の関係を調べた報告。1562 人、10 歳の子供が対象 (3)。
  • 21 年間の追跡調査。65 % Euro American, 35% African American。
  • 甘い飲料、菓子、肉類の摂取量が肥満と有意に関連していた。

肥満を抑制する食習慣、物質などについては、以下のページがある。


肥満と「頭の良さ」

とりあえず手持ちの論文を一例紹介する。この論文から「肥満の人は頭が悪い」という結論するのは軽率。相関しないことを示した報告も多く、また「頭の良さ」も複雑な概念であり、脳の容積と単純に比例しない。


> 52 - 92歳の女性 95 名を対象とした調査 (5)。
  • MRI で白質や灰白質などの容積を調べ、BMI との相関をみている
  • BMI が高いほど灰白質 gray matter の容積が少なく、白質 white matter の容積が多い。
  • 一般に肥満の人は高血圧であり、高血圧も灰白質の容積を減らす。これを補正しても、肥満の人でやはり灰白質の容量が低かった。
  • Cognitive function も BMI と逆相関した。
  • 灰白質量の低下がみられた領域は、高血圧を考慮すると orbital/inferior frontal cortex, inferior frontal cortex, precentral cortex, parahippocampal area, posterior/lateral cerebellum などである。

肥満対策

手術: Bariatric surgery

体重を現象させることを目的とした手術を bariatric surgery という。いくつか具体例を挙げておく。内容が増えてきたら、別のページに移す。

Sleeve gastrectomy

Sleeve gastrectomy は、外科的に胃を小さくする手術である (図; ref 6, 7)。胃の大部分を切り取り、ピンクの部分を残す。容量は、手術前の 15% 程度になる。


Roux-En-Y

Roux-En-Y も bariatric surgery の一つで、食道と、小腸 intestine の一部である空腸 jejunum を繋いでしまうという乱暴な手術である (図; ref 8)。



広告

コメント欄

コメントをどうぞ! (500 字まで)


フォーラムを作ったので、各ページにあるコメント欄のうち、コメントがついていないものは順次消していきます。今後はフォーラムをご利用下さい。管理人に直接質問したい場合は、下のバナーからブログへ移動してコメントをお願いします。


References

  1. 厚生労働省 HP 2013 Link.
  2. Volkow et al. 2011a (Review). Reward, dopamine and the control of food intake: implications for obesity. Trends Cogn Sci 15, 37-46.
  3. Nicklas et al. 2003a.Eating patterns and obesity in children. The Bogalusa heart study. Am J Prev Med 25, 9-16.
  4. Grindler and Moley 2013a. Maternal obesity, infertility and mitochondrial dysfunction: potential mechanisms emerging from mouse model systems. Mol Hum Reprod, 19, 486-494.
  5. Walther et al. 2010a. Structural brain differences and cognitive functioning related to body mass index in older females. Hum Brain Mapp 31, 1052-1064.
  6. By Lina Wolf, magenverkleinerung.tips - Own work, CC BY-SA 3.0, Link
  7. By Manu5 - http://www.scientificanimations.com/wiki-images/, CC BY-SA 4.0, Link
  8. By BruceBlaus. When using this image in external sources it can be cited as:Blausen.com staff (2014). "Medical gallery of Blausen Medical 2014". WikiJournal of Medicine 1 (2). DOI:10.15347/wjm/2014.010. ISSN 2002-4436. - Own work, CC BY 3.0, Link