大腸菌 Escherichia coli
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概要: 大腸菌 E. coli とは
大腸菌 Escherichia coli (E. coli という略称がよく使われる) は、環境中に存在する主要な バクテリア の一種である。
写真は、USDA が提供している大腸菌の Public domain イメージ。 10,000 倍に拡大したもの。細長い棒状または円筒状の桿菌 (かんきん) である。
E. coli の分類は、サブクラスなどがなくシンプルである。
cellular organisms; Bacteria; Pseudomonadota; Gammaproteobacteria; Enterobacterales; Enterobacteriaceae; Escherichia
PubMed Taxonomy についての解説ページは こちら。生物の分類のページ も参照のこと。
大腸菌の外膜
大腸菌には外膜、ペプチドグリカンから成る細胞壁、内膜の 3 つの膜が存在する (1)。
外膜 |
リン脂質、タンパク質、リポ多糖を含む。タンパク質組成は内膜よりも単純である。抗生物質など、比較的大きな物質の透過は阻害するが、水溶性の低分子は受動的に透過できる。 |
細胞壁 |
数種の糖およびアミノ酸から成る規則的な繰り返し構造をもち、細胞の形態を維持する。 内膜と外膜の間にある空隙を |
内膜 |
リン脂質を主体とする二重膜で、動植物細胞の細胞膜に相当する。多くの受容体はここに存在する。 |
> アミノ酸要求株とオリゴペプチドを使った実験 (1, 総説)。
- Lys, Arg のテトラペプチドは要求株の生育を支持できるが、ペンタペプチドはできない。
- 菌体外にペプチダーゼ活性は検出されず、これは透過の問題と考えられる。
- 大腸菌が使える栄養素と使えない栄養素は、ゲルろ過クロマトグラフィー のストークス半径で説明される。
- さまざまな標識物質がペリプラズム領域へ取り込まれるかどうかを見た実験から、外膜には分子量 800 - 900 ぐらいに大きさ制限のある「孔」が存在することが示唆された。
- サルモネラなどから抽出されたリポ多頭では、この透過性を再現することはできなかった。
- あるリポタンパク質が、外膜を貫く孔を形成しているという結果が得られている。1975 年の総説なので、その後もっといろいろ明らかになっているはず。
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References
関沢、井上 1975a. 大腸菌外膜における物質の受動的透過について. 生物物理 15, 229-237.
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