大腸菌 Escherichia coli の膜構造について

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このページの最終更新日: 2025/01/05

  1. 大腸菌の膜構造
  2. ペリプラズムについて

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概要: 大腸菌の膜構造

大腸菌には外膜、ペプチドグリカンから成る細胞壁、内膜の 3 つの膜が存在する (1)。

外膜

リン脂質、タンパク質、リポ多糖を含む。タンパク質組成は内膜よりも単純である。抗生物質など、比較的大きな物質の透過は阻害するが、水溶性の低分子は受動的に透過できる。

細胞壁

数種の糖およびアミノ酸から成る規則的な繰り返し構造をもち、細胞の形態を維持する。

内膜と外膜の間にある空隙を ペリプラズム という。

内膜

リン脂質を主体とする二重膜で、動植物細胞の細胞膜に相当する。多くの受容体はここに存在する。


> アミノ酸要求株とオリゴペプチドを使った実験 (1, 総説)。

  • Lys, Arg のテトラペプチドは要求株の生育を支持できるが、ペンタペプチドはできない。
  • 菌体外にペプチダーゼ活性は検出されず、これは透過の問題と考えられる。
  • 大腸菌が使える栄養素と使えない栄養素は、ゲルろ過クロマトグラフィー のストークス半径で説明される。
  • さまざまな標識物質がペリプラズム領域へ取り込まれるかどうかを見た実験から、外膜には分子量 800 - 900 ぐらいに大きさ制限のある「孔」が存在することが示唆された。
  • サルモネラなどから抽出されたリポ多頭では、この透過性を再現することはできなかった。
  • あるリポタンパク質が、外膜を貫く孔を形成しているという結果が得られている。1975 年の総説なので、その後もっといろいろ明らかになっているはず。

ペリプラズムについて

内容が増えてきたら独自のページを作る。

大腸菌のようなグラム陰性菌には、ペリプラズム periplasmic space と呼ばれる空間がある (図、ref. 3)。

大腸菌のATP合成酵素

ペリプラズムの物質代謝の特徴として、以下の点が挙げられる (2)。

  • 取込み・排出にかかるエネルギー・時間を節約できる
  • 細胞膜外での反応であるため毒性物質を対象にできる
  • 局在する酵素が限られている。つまり、反応が加水分解、脱水、水和および電子伝達系と協働する酸化などに限定される。

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References

  1. 関沢、井上 1975a. 大腸菌外膜における物質の受動的透過について. 生物物理 15, 229-237.
  2. 片岡 2020a. ペリプラズムにおける代謝工学. 生物工学 98, 132.
  3. <a href="//commons.wikimedia.org/wiki/User:Jeff_Dahl" title="User:Jeff Dahl">Jeff Dahl</a> - <span class="int-own-work" lang="ja">投稿者自身による作品</span>, CC 表示-継承 4.0, リンクによる

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