ノーベル賞の目次: 医学・生理学賞

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このページの最終更新日: 2024/12/11


ノーベル医学・生理学賞の年表をもとにした各ページへのリンクです。英語表現は、公式ページ の記述をそのまま採用した公式なものです。日本語は管理人による注釈です。


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2020 年代

2024

Victor Ambros and Gary Ruvkun
ビクター・アンブロス、ゲイリー・ラブカン

for the discovery of microRNA and its role in post-transcriptional gene regulation

2006 年の RNAi と重複するような気がするのだが、microRNA の発見とそれによる転写後遺伝子発現調節機構についての研究に与えられた。

2023

Katalin Karikó and Drew Weissman
カタリン・カリコー、ドリュー・ワイスマン

for their discoveries concerning nucleoside base modifications that enabled the development of effective mRNA vaccines against COVID-19

COVID-19 mRNA ワクチンの開発を可能にした塩基修飾の発見。具体的には、シュードウリジンなどで炎症が抑制されることを報告した 2005 論文と、修飾塩基によってタンパク質発現量が増えるという 2008, 2010 論文が主要な業績のようだ。

2022

Svante Pääbo
スバンテ・ペーボ

for his discoveries concerning the genomes of extinct hominins and human evolution

珍しい進化遺伝学分野からの受賞。ネアンデルタール人のゲノム研究など。

2021

David Julius and Ardem Patapoutian
デヴィッド・ジュリアス、アーデム・パタプティアン

for their discoveries of receptors for temperature and touch

温感と触覚の受容体を発見。

2020

Harvey J. Alter, Michael Houghton, Charles M. Rice

for the discovery of Hepatitis C virus

参考: B 型肝炎。この年の化学賞は CRISPR/Cas9 に与えられている。


2010 年代

2019

William G. Kaelin Jr., Sir Peter J. Ratcliffe, Gregg L. Semenza

for their discoveries of how cells sense and adapt to oxygen availability

低酸素応答因子 HIF1α の発見などの一連の研究。

2018

James P. Allison, Tasuku Honjo
ジェームス・アリソン、本庶佑

for their discovery of cancer therapy by inhibition of negative immune regulation

がん免疫療法。がん細胞は免疫を回避ものがあるが、それに対して免疫を働くようにする治療薬の開発など。参考: PD-1

この年の化学賞は、酵素の指向性進化やファージディスプレイ法に送られている。

2017

Jeffrey C. Hall, Michael Rosbash and Michael W. Young
ジェフリー・ホール、マイケル・ロスバッシュ、マイケル・ヤング

for their discoveries of molecular mechanisms controlling the circadian rhythm

サーカディアンリズム。ショウジョウバエの period, timeless などの遺伝子の機能解析が端緒となった。

この年の化学賞は、構造解析を著しく進歩させたクライオ電顕に送られている。

2017

Yoshinori Ohsumi 大隅良典

for his discoveries of mechanisms for autophagy

オートファジーのメカニズムで単独受賞。

2010

Robert G. Edwards
ロバート・G・エドワーズ

for the development of in vitro fertilizationA

体外受精 in vitro fertilization 技術の開発。


2000 年代

2009

2008

Harald zur Hausen

for his discovery of human papilloma viruses causing cervical cancer

Françoise Barré-Sinoussi and Luc Montagnier

for their discovery of human immunodeficiency virus

この年は ウイルス に関する研究が独立に受賞。HPV と AIDS の原因になる HIV。この年の化学賞は、GFP に関する研究で Osamu Shimomura, Martin Chalfie, Roger Y. Tsien が受賞している。

2007

Mario R. Capecchi, Sir Martin J. Evans and Oliver Smithies

for their discoveries of principles for introducing specific gene modifications in mice by the use of embryonic stem cells

ES 細胞を用いた 遺伝子改変技術 に関する研究。

2006

Andrew Z. Fire and Craig C. Mello

for their discovery of RNA interference – gene silencing by double-stranded RNA

RNAi に関する研究。

2003

Paul C. Lauterbur and Sir Peter Mansfield
ポール・ローターバー、ピーター・ マンスフィールド

for their discoveries concerning magnetic resonance imaging

核磁気共鳴画像法 MRI に関する研究。この年の化学賞は、水のチャネルアクアポリンに関する研究に与えられている。

2002

Sydney Brenner, H. Robert Horvitz, John E. Sulston

for their discoveries concerning genetic regulation of organ development and programmed cell death

線虫 C. elegans を使った臓器の発生とプログラム細胞死に関する研究。この年の化学賞は 質量分析 で John B. Fenn と田中耕一に与えられている。


1990 年代

1997

Stanley B. Prusiner
スタンリー・プルシナー

for his discovery of Prions – a new biological principle of infection

プリオンの発見に関する研究。この年の化学賞は、Boyer と Walker の ATP 合成酵素 に関する研究、および Skou の Na+, K+ ATPase の発見に与えられている。

1993

Richard J. Roberts and Phillip A. Sharp
リチャード・ロバーツ、フィリップ・アレン・シャープ

for their discoveries of split genes

スプライシングの発見。論文 は 1977 年の “An amazing sequence arrangement at the 5' ends of adenovirus 2 messenger RNA” で、タイトルに amazing は入っているのが良い。ツイッターによると、Roberts 氏の人柄を反映しているとのこと。

この年の化学賞は、PCR の Kary B. Mullis と site-directed mutagenesis の Michael Smith に授与されている。分子生物学が熱かった時代と言える。


1970 年代

1977

Roger Guillemin and Andrew V. Schally
ロジェ・ギルマン、アンドリュー・ウィクター・シャリー

for their discoveries concerning the peptide hormone production of the brain

視床下部で合成される甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン、性腺刺激ホルモン放出ホルモンなどに関する研究。

1973

Karl von Frisch, Konrad Lorenz and Nikolaas Tinbergen
カール・フォン・フリッシュ、コンラッド・ローレンツ、ニコ・ティンバーゲン

for their discoveries concerning organization and elicitation of individual and social behaviour patterns

動物行動学の研究者に賞が授与された珍しい年。観察を主体とする動物行動学という分野を生み出した業績と位置付けられることもある。血縁淘汰説のハミルトンは含まれていない。

1971

Earl W. Sutherland, Jr.
エール・サザランド

for his discoveries concerning the mechanisms of the action of hormones

「ホルモンの作用機序」という大まかな表現だが、サザランドが行ったのは主に cAMP などのセカンドメッセンジャーを解したアドレナリンの作用機序に関する研究である。


1960 年代

1968

Robert W. Holley, Har Gobind Khorana and Marshall W. Nirenberg

for their interpretation of the genetic code and its function in protein synthesis

遺伝暗号の解読。コドンを解読した実験コドンの概要 などに関連情報あり。


1920 年代

1923

Frederick G. Banting and John Macleod

“for the discovery of insulin”

血糖値を下げる唯一のホルモン、インスリン の発見。


1900 年代

1908

Ilya Ilyich Mechnikov and Paul Ehrlich

in recognition of their work on immunity

「免疫について」。主要な業績は マクロファージ の発見である。

1906

Camillo Golgi and Santiago Ramón y Cajal

in recognition of their work on the structure of the nervous system

カミッロ・ゴルジとサンティアゴ・ラモン・イ・カハール。ゴルジ体のゴルジである。ゴルジは、銀を使った神経の染色 (ゴルジ染色) 法を発見し、神経細胞の視覚化に成功。カハールはこれを改良し、ニューロン説を提唱した。

この年の化学賞は、フッ素 の単離と利用について Henri Moissan に授与されている。


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