G タンパク質: シグナル伝達における役割
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このページの最終更新日: 2024/02/14- 概要: G タンパク質とは
- Heterotrimeric G protein とその下流シグナル
- cAMP 産生に至る経路
- Ca2+ の産生に至る経路
- シグナルの終了
- Ras G protein とその下流シグナル
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概要: G タンパク質とは
G タンパク質とは、GTP を GDP に変換するタンパク質で、多くのシグナル伝達経路の構成因子である。大きく以下の 2 種類に分けることができる。
- Heterotrimeric G protein
- Ras superfamily G protein
Heterotrimeric G protein とその下流シグナル
非活性化状態では、G タンパク質は GDP と結合している (1)。このとき G protein は α, β, γ サブユニットから成るヘテロ 3 量体である。図は cAMP 産生に至る経路である (Public domain)。
α サブユニット Gα は
受容体にリガンドが結合すると、構造変化によって GDP が離れ、GTP が結合する。
一つの GPCR は、リガンドの結合によって複数の G protein を活性化する (1)。シグナル伝達の特徴の一つ、
Heterotrimeric G protein の下流には、大きく分けて以下の 2 通りの経路が存在する。
- Adenylyl cyclase - cAMP - PKA
- PLC - IP3 and Ca2+ - PKC
cAMP 産生に至る経路
GTP−bound form α サブユニットは β, γ ダイマー (Gβγ) から遊離し、アデニル酸シクラーゼ adenylate cyclase と結合し活性化する。この α サブユニットを
副腎皮質ホルモン、エピネフリンのシグナルはこの経路を活性化し、血糖値の上昇などをもたらす。恐怖への応答、興奮状態を誘導する。メカニズムは PKA によるグリコーゲンホスホリラーゼの活性化と、グリコーゲン分解である。
Ca2+ の産生に至る経路
アンギオテンシン II の受容体は、GαS でなく
IP3 はカルシウムチャネルに作用し、細胞内 Ca2+ 濃度を上げる (1)。Ca2+ と DAG への結合が
PKC の下流には、NFκB や Raf/MEK/MAPK のカスケードがある。生理作用としては細胞分裂が有名である。
シグナルの終了
以上の反応は second のオーダーで起こる (1)。Gα は GTPase 活性をもっており、GTP を GDP + Pi に加水分解することで再び不活性型となる。この反応は sec - min オーダーと遅いため、シグナルを一定量伝えた後に起こる。
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References
- Berg et al. Biochemistry: 使っているのは 6 版ですが 7 版を紹介しています。
- By Takanori Nakane - This file is made from File:Activation protein kinase C.svg on wikimedia commons, CC 表示-継承 3.0, Link
- 水島 (訳) 2015a. イラストレイテッド細胞分子生物学.
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