フローサイトメトリー FACS: 原理、使い方など
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このページの最終更新日: 2024/02/14広告
概要: フローサイトメトリーとは
フローサイトメトリー flow cytometry とは、細胞 などの小さな粒子を液体に懸濁して細く流し、粒子の特徴を分析する研究手法である。用いる装置をフローサイトメーター flow cytometer という (図、Ref. 1)。
フローサイトメトリーは、主に以下のような用途に使われる。
- 細胞の数を数える
- 抗体などを用いて細胞をラベルし、細胞の性質を調べる (分裂中の細胞がどれくらい含まれるか、など)
- 細胞をソートする (FACS)
フローサイトメトリーのサンプル (Public domain)。
前方散乱光 FSC と側方散乱光 SSC
前方散乱光 forward scatter (FSC) は、細胞の大きさの指標。大きい細胞の方が FSC シグナルが強くなる。反対のように思えるが、これは大きい細胞の方が光を屈折 refraction させるためらしい。
側方散乱光 side scatter (SSC) は、細胞の複雑さの指標。
FSC、SSC とも、一つの要因で決まるわけではない。しかし、粒子の種類によって固有の範囲をとるため、これらの値を組み合わせることによって、試料に含まれる細胞をおおまかに判別することができる。
たとえば、下の図 (Ref. 2) の A を見てみよう。横軸に FSC、縦軸に SSC をとり、検出された細胞をプロットしている。青 → 緑 → 黄 → 赤の順に、多くの細胞が検出されている。丸で囲んだ範囲に、特定の FSC と SSC をもつ細胞集団があることがわかる。その左下にも、もう一つ明らかな細胞集団がある。
29.3 というのは、円に含まれる細胞の割合である。全細胞の 29.3% が、注目している特徴をもつということ。この部分の細胞をソートして取り出し、細胞表面タンパク質の蛍光標識などを用いて、さらに細胞をわけていくのがフローサイトメトリーの常道である。図では、B と C でそれを行なっている。
References
- By Kierano - Own work, CC BY 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=22102570
Kim and Lee, 2013a. Advances in nutritional research on regulatory T-cells. Nutrients 5, 4305-4315.
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