細胞核 Nucleus: DNA を含むオルガネラ
- 概要: 細胞核とは
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概要: 細胞核とは
細胞核は、染色体構造をもつ DNA を格納する構造であると定義されている (1,2)。1831 年に Brown により発見された。ミトコンドリア や葉緑体も DNA を含むが、「染色体構造をもつ」という部分で核と区別される。英語では nucleus, 複数形は nuclei である。
細胞の概要を示した下の図 (3) で、2 番が核、1 番が核小体である。
核には以下のような特徴がある。関連する構造とともに述べる。
- 核内で DNA から tRNA, mRNA, rRNA などの RNA が 転写 される。核は RNA の転写およびタンパク質 protein の生合成を通じて細胞の活動を制御するコントロールセンターである。
- 原核生物 prokaryotes では、核は存在しない。
- 哺乳類 mammals の赤血球にも核は存在しないが、魚類など他の多くの生物の赤血球は有核である。
細胞核に関係する用語集
核膜 |
核と細胞質を隔てる脂質二重膜。 |
核質 |
核は核質 nucleoplasm に満たされている。ここには
が含まれる。 |
核小体 |
核小体は、細胞核の中にみられる |
核崩壊 |
ストレスなどで死にかけている細胞において、核が断片化される現象をいう。一般に、核崩壊の前には核濃縮 pyknosis がみられる (図, Public domain)。 核がはっきりと見えなくなる状況は、karyolysis と呼ばれる。 |
神経科学分野では、神経細胞 が集中した部位を核 nucleus という。細胞核、神経核と書いて区別するのが望ましいだろう。
筋細胞は複数の細胞が融合して作った多核細胞である。
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References
- Amazon link:
Hine (2015). Oxford Dictionary of Biology. - Amazon link: 岩波 理化学辞典 第5版: 使っているのは 4 版ですが 5 版を紹介しています。
- By Kelvinsong - Own work, CC0, Link
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