学術雑誌の著作権に対する姿勢

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このページの最終更新日: 2024/02/14

  1. クリエイティブ・コモンズを採用している雑誌
  2. その他の雑誌
    • Non-commercial なら自由に引用可

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クリエイティブ・コモンズを採用している雑誌

多くのオープンアクセス誌が、著作権の一部を放棄する クリエイティブ・コモンズ を採用している。著作権の法規については 著作権のページ を、実際にどう引用すれば良いのかについては クリエイティブ・コモンズのページ を参照のこと。

クリエイティブ・コモンズ

上のようなマークが論文についていれば、それはクリエイティブ・コモンズを採用していることを示している。


Nature 系

Nature をはじめとする「ハイインパクト誌」は、2000 年ごろから大量に姉妹誌を作り始めた。これは Nature でリジェクトされる論文の受け皿を作り、もれなく出版費用を回収しようとする商業戦略であると思われる。

Nature 系では、それぞれの分野に特化した姉妹誌のほか、分野横断的な Nature Communications と、分野横断かつ PLoS ONE のように研究のインパクトを問わないとする Scientific Reports がある。この 2 誌はオープンアクセスで、CC BY を採用している。


雑誌 根拠など
Nat Commun

出版費用 $5,200 を誇る悪名高いオープンアクセス誌。

公式ページ によると、著作権の帰属表示のみを求める CC BY 4.0 が標準である。
Sci Rep

公式ページ (日本語): Nature 系のオープンアクセス誌。論文の内容にインパクトを求める Nat Commun とは違い、科学的に妥当ならなら受理するという PLoS ONE と同じ編集方針をもつ (2)。

著作権の帰属表示のみを求める CC BY 4.0 が標準であり、オプションとして非営利、改変禁止などをつけることができる。2021 年現在、出版費用は約 20 万円。
Cell Rep

Author guide: Authors will be asked to sign a nonexclusive publishing agreement that allows them to retain copyright of their work. Authors can choose to publish their work under one of two Creative Common licenses.

12-10-2016 確認。

PLoS 系

PLoS は Public Library of Science の略であり、そもそもオープンアクセスの信念に基づいて雑誌を発行している団体である。

PLoS シリーズは全て CC BY を採用している (公式ページ 2017 年 8 月)。以下のように普通に引用すれば良いと書かれている。

引用例: Huntingtin Interacting Proteins Are Genetic Modifiers of Neurodegeneration. Kaltenbach LS et al. PLOS Genetics. 2007. 3(5) doi:10.1371/journal.pgen.0030082

雑誌 根拠など
PLoS

2017 年 8 月現在、PLoS シリーズには Biology, Medicine, Computational Biology, ONE, Genetics, Neglected Tropical Diseases, Pathogens, Currents と 8 個の雑誌がある。

なお掲載料は雑誌のランク分けに基づいているようで、PLoS ONE は $1,495 だが PLoS Genet などは $2,250 と高く、最高峰の PLoS Biol では $2,900 である。

BMC 系

BioMed Central も、原則的にオープンアクセスのシリーズである。インパクトファクターという観点では、各分野の 2 番手的な専門誌を多く刊行しているという印象。メインの BMC Biol は非モデル生物のユニークな論文が多く出ている点で高く評価したい。

雑誌 根拠など

Reprod Biol Endocrinol

雑誌名には含まれていないが、BMC シリーズの雑誌。CC BY で IF は約 3。

MDPI 系

Multidisciplinary Digital Publishing Institute (MDPI) は、2010 年ごろから動き出した出版グループで、150 以上のオープンアクセス誌を出版している。全て CC BY のオープンアクセスである。

いろいろと物議を醸している出版社ではあるが、少なくともかつて言われていたような predatory journal ではないと言える。MDPI に関する情報は、私の意見とともに predatory journal のページにまとめているので、興味のある人は以下のサイト内検索からどうぞ。

雑誌 根拠など

Int J Mol Sci

IF 4 前後、レビューを多く掲載する MDPI の中でも有力な雑誌の一つ。

Cells

Cell ではく Cells。MDPI の雑誌には名前が微妙なものが多い。Genes とか C とか。

Frontier 系

Frontier 系の雑誌も、原則的に CC BY ver 4 である (公式ページ)。論文のメトリクスについては Public domain であるとも書かれている。


その他

雑誌 根拠など

Disease Models and Mechanisms

公式ページ で確認 (8/31/2017)。出版費用は 2500 ユーロ。
JBC

2021 年 7 月に確認したところ、2020 年 11 月以降に出版される論文は CC BY のオープンアクセスになっているようだ。「Non-commercial なら自由」カテゴリーを変更。

All authors who submit to the journal on/after November 1, 2020, and whose articles are accepted for publication, will pay a flat article publishing charge (APC). These APCs are reasonably priced at $2,000 for ASBMB members or $2,500 for nonmembers, excluding taxes. These papers will be published under a CC-BY license.

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その他の雑誌

自然科学系学術誌の Rights & Permissions まとめ (1) を大いに参考にさせて頂いた。自分で調べたら随時追加していく。

Non-commercial なら自由

雑誌 根拠など
PNAS

Open access の論文は CC BY NC ND または CC BY。

Permission is not required to use original figures or tables for noncommercial and educational use (i.e., in a review article, in a book that is not for sale) if the article published under the exclusive PNAS License to Publish. とある。ウェブサイトが含まれるかどうかはっきりしない。

PNAS Rights and Permissions で 2021 年 7 月に確認。2016/12/14 確認の旧バージョンは Ref. 3 に。

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References

  1. 自然科学系学術誌の Rights & Permissions まとめ. Link.
  2. Criteria for publication. Sci Rep. Link: Last access 8/9/2017.
  3. PNAS Author Guide, 旧バージョン: Anyone may, without requesting permission, use original figures or tables published in PNAS for noncommercial and educational use (i.e., in a review article, in a book that is not for sale), provided that the full journal reference is cited and, for articles published in volumes 90–105 (1993–2008 ), "Copyright (copyright year) National Academy of Sciences." Commercial reuse of figures and tables (i.e., in promotional materials, in a textbook for sale ) requires permission from PNAS.

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