メイラード反応: 食品の褐変や老人斑の原因

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2018/02/23 更新


  1. 概要: メイラード反応とは
  2. メイラード反応の実際
    • 牛乳のメイラード反応
    • 糖とアミノ酸のメイラード反応


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概要: メイラード反応とは

メイラード反応 Maillard reaction とは、カルボニル炭素に対してアミノ基が求核反応を引き起こすことを起点とする反応である (1)。1912 年に Maillard によって報告された。

食品科学 の分野では、還元糖とアミノ酸またはタンパク質の結合を意味し、食品の褐変や香気生成の原因となる。以下の呈色は、いずれもメイラード反応である。

  • 加熱で肉やパンに焼き色がつく
  • 熟成で味噌や醤油の色が濃くなる
  • 牛乳を煮詰めると茶色くなってくる

単一の反応ではなく、最初の反応の生成物が次の反応を引き起こし、それが続いてゆく複雑な反応で、その全容はまだ解明されていない。


メイラード反応の実際

いくつか簡単な実験をやってみたので、その結果を載せておく。


牛乳のメイラード反応

牛乳は、メイラード反応を調べる上で手軽に使える実験材料である。

> 牛乳を加熱すると、乳タンパク質 casein の分子量が大きくなる (2)。
  • メイラード反応で糖が付加されたためと考えられる。
  • この実験では、ステンレストレー上に 5 µL の牛乳を滴下、風乾後に120-130 °C で 1 時間加熱加熱している。乾燥状態でも反応は進む。

自宅の鍋で牛乳を加熱してみた。ずっと沸騰状態だったが、思ったほど茶色くならないという印象。

加熱前。影が映っているが、まあ白い。

20 分加熱。オレンジの斑点みたいのが出てくるが、これは何だろうか?

40 分加熱。色が変わってきたようにも見えるが、まだはっきりしない。

100 分加熱。さすがに茶色くなり、変性タンパク質が析出してくる。液体よりもこの部分が茶色いように見える。

170 分加熱。全体に茶色くなったが、思ったよりも時間がかかった。


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糖とアミノ酸のメイラード反応

フルクトース または グルコース の飽和溶液を グリシン の飽和溶液を 500 µl ずつ混合し、5 µl の 1 M KOH を加えた。のち water bath で 30 分間 90°C インキュベート。ただし 5 分ごとに写真を撮ったので、ずっと 90°C で処理できていたわけではない。

これがインキュベート開始前の写真。

30 分後。左がフルクトースとグリシン、右がグルコースとグリシン。

グルコースでもわずかに色がついているが、フルクトースの方がはるかにメイラード反応が進んでいる。これは、フルクトースの方がグルコースよりも還元性が高いことを示している。

メイラード反応生成物には匂いがあり、100°C と 180°C で香りが違う (4,5)。「嫌なチーズ」などかなり主観の入った表現で面白い。一覧として引用しておく。

アミノ酸 100 °C 加熱時 180 °C 加熱時
Val ライ麦パン 刺激のあるチョコレート
Phe スミレの花 ライラックの花
Leu 甘いチョコレート 嫌なチーズを焼いた臭い
Ile カビ 嫌なチーズを焼いた臭い
Met じゃがいも じゃがいも
His とくに臭いなし とうもろこし・パンの臭い
Thr チョコレート 焦げた臭い
Lys とくに臭いなし パンの臭い
Gln チョコレート バターボール?
Asp 砂糖菓子 カラメル
Pro タンパク質が焦げた臭い パンの臭い

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References

  1. 臼井 2015a. 食品におけるメイラード反応. 日本食生活学会誌 26, 7-10.
  2. 新本ら 2015a. 牛乳タンパク質の加熱変性に対する抗酸化成分の作用. 日本食品化学工学会誌 62, 156-158.
  3. Amazon link: メイラード反応の機構・制御・利用.
  4. おいしいパンを作りましょう。Link: Last access 2018/02/23.
  5. NPO 法人 日本食行動科学研究所機関紙 22 号, 2013.

参考文献