グルタミンの構造、機能、代謝: アンモニア解毒、神経伝達

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8-6-2017 updated


  1. 概要: グルタミンとは
  2. グルタミンの生合成
  3. グルタミン - グルタミン酸サイクル

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概要: グルタミンとは

グルタミン glutamine は図 1 のような構造をもつアミノ酸である。略号は Q または Gln。

グルタミンには以下のような性質がある。

  • グルタミン酸アンモニア が ATP 依存的に付加されると生じる。この反応は窒素の輸送およびアンモニアの解毒において重要である。下記「グルタミンの生合成」も参照のこと。

グルタミンの生合成

グルタミンは、下記のようにグルタミン酸にアンモニアが付加されて生じる。この反応は ATP 依存的であり、グルタミンシンターゼ glutamine synthase によって触媒される (2)。



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グルタミン - グルタミン酸サイクル

グルタミン酸は興奮性の神経伝達物質であり、グルタミン酸作動性 ニューロン からシナプス間隙に放出される。次の信号を伝えるためには、グルタミン酸がシナプス間隙から除去されなければならない。グルタミン酸を速やかに除去するための下記の一連のサイクルの グルタミン - グルタミン酸サイクル という。図は文献 6 から引用。

  1. ニューロンがシナプスにグルタミン酸を放出する。
  2. Glu はアストロサイトに取り込まれ、グルタミンシンセターゼ glutamine synthetase によってグルタミン Gln になる。
  3. Gln がアストロサイトからシナプスに放出され、ニューロンに取り込まれる。
  4. ニューロン内で Gln は Glu に変換され、再び神経伝達物質として利用される。


ラット大脳皮質では、このサイクルが脳内の Glu の 70 - 80% 程度を生み出している。残りは補充反応 anaplerosisによる (4)。体内のアンモニア濃度が高いと、補充反応の寄与が 30% 強まで増える (4)。

ニューロンで Gln から Glu を作る加水分解反応は、PAG (phosphate-activated glutaminase) が触媒する (3)。


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References

  1. Sibson 2001a. In vivo 13C NMR measurement of neurotransmitter glutamate cycling, anaplerosis and TCA cycle flux in rat brain during [2-13C]glucose infusion. J Neurochem 76, 975-989.
  2. Amazon link: ストライヤー生化学: 使っているのは英語の 6 版ですが、日本語の 7 版を紹介しています。参考書のページ にレビューがあります。
  3. de Graaf et al. 2003a (Review). In vivo 1H-[13C]-NMR spectroscopy of cerebral metabolism. NMR Biomed 16, 339-357. 
  4. Sibson et al. 1997a. In vivo 13C NMR measurements of cerebral glutamine synthesis as evidence for glutamate-glutamine cycling. PNAS 94, 2699-2704.
  5. Herzog et al. 2013a. Lactate preserves neuronal metabolism and function following antecent recurrent hypoglycemia. J Clin Invest 123, 1988-1998.
  6. Patel et al. 2005a. The contribution of GABA to glutamate/glutamine cycling and energy metabolism in the rat cortex in vivo. PNAS 102, 5588-5593.