大腸菌からのタンパク質抽出: プロトコールと注意点など

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このページの最終更新日: 2025/07/15

  1. 概要: 大腸菌からのタンパク質抽出
  2. そのまま SDS-PAGE buffer を入れて加熱する
  3. リゾチームによる溶解

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概要: 大腸菌からのタンパク質抽出

このページでは、大腸菌発現系を使っている場合で、大腸菌 から発現タンパク質を抽出して SDS-PAGE をかける方法についてまとめる。

CBB 染色で、大腸菌の粗抽出液を流すなら、一般に 10 - 20 µg/レーンぐらいが適当量である。なお、シングルバンドで見える精製タンパク質なら、1 - 5 µg/レーンぐらいではっきり見えるはず。

大まかに見積もって、OD600 = 1 の大腸菌培養液 1 mL には、300 - 500 µg のタンパク質が含まれている。

そのまま SDS-PAGE buffer を入れて加熱する

最も単純な方法である。

リゾチームによる溶解

リゾチーム のページにあるプロトコールを改良したものである。

OD600 = 3 ぐらいの培養液を想定。この場合、900 - 1500 µg が含まれているという計算になる。

  1. 培養液 1 mL を遠心して回収。培地を完全に捨て、500 µL の Lysis バッファーで懸濁する。
  2. PMSF など
  3. 1/50 - 1/10 容量の 10% Triton X-100 を加え、4°C でさらに 20 分撹拌する。
  4. 12,000 × g, 30 min の遠心で得られた上清を回収する。

それぞれの緩衝液 buffer の組成は、Lysis バッファー [50 mM Tris-HCl or Phosphate, 150 mM NaCl, 1 mM PMSF, pH8.0]、リゾチーム溶液 [10 mg/mL リゾチーム in 20 mM Tris-HCl, pH 8.0] である。

この方法では、10 mg/mL 溶液を 1/50 加える。したがって、溶液中には 0.2 mg/mL = 0.2 µg/µL 程度の濃度で残ることになる。SDS-PAGE でこれを 10 µL 使うとすると、2 µg のリゾリームが泳動されることになり、おそらくはバンドが見えるはずである。


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References

  1. タンパク質の抽出・細胞破砕法. Link: Last access 2025/07/02.

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