セリンプロテアーゼの阻害剤 PMSF: 構造、プロトコールなど

UBC/reagents/p/pmsf

このページの最終更新日: 2024/10/24

  1. 概要: PMSF とは
  2. PMSF の使い方

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概要: PMSF とは

PMSF はフッ化フェニルメチルスルホニル(phenylmethylsulfonyl fluoride)の略で、図のような構造(Public domain)をもつ物質である。分子量 は 174.19。

PMSFの構造

プロテアーゼの阻害剤であり、タンパク質抽出の際に抽出バッファーに 0.1 - 1 mM で添加する。

キモトリプシン、トリプシン、トロンビンなどのセリンプロテアーゼ、およびシステインプロテアーゼであるパパインを阻害する。その他のシステインプロテアーゼ、メタロプロテアーゼ、アスパラギン酸プロテアーゼは阻害しない (2)。

活性部位に存在するセリン残基の水酸基をスルホニル化するため、セリンプロテアーゼに対する阻害は不可逆である。パパインの阻害は DTT 処理によって可逆である。

PMSF の使い方

ストック溶液の調製

水に対する溶解度は低いので、ストック溶液にはイソプロパノール、エタノール、メタノール、または 1,2-プロパノールを用いて 10 mg/mL 以上の濃度で溶解する (2)。水溶液中では不安定であるが、100%イソプロパノール中では、15 ~ 25°Cで最低でも 9 ヶ月安定である。

まず 200 mM ストック溶液 in エタノールを調製。0.348 g/10 mL EtOH。これを抽出液に 1/200 量加える形で使用している。


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References

  1. 田村 (2014). 改訂版 バイオ試薬調製ポケットマニュアル.

一般的なバイオ実験に使われる試薬の作り方がまとまっているハンドブック。一冊手元にあると便利。サイズも実験の邪魔にならずお手頃。

2003 年にオリジナル版、2014 年に改訂版が出た。I 部は溶液・試薬データ編、II 部は基本操作編になっており、ピペット操作など実験の基本がイラスト付きで説明されている。研究室に入って 1-2 年目はとくに重宝するが、末永く使うことができるだろう。このページ に見開きサンプルあり 。

  1. メルク PMSF. Link: Last access 2024/07/31.

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このページの目次

1. 概要