タンパク質濃度測定・ローリー法:
原理、プロトコール、長所と短所など
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このページの最終更新日: 2024/12/15- 概要: ローリー法とは
- ローリー法の長所と短所
- ローリー法のプロトコール
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概要: ローリー法とは
ローリー法は、ペプチド結合と銅イオン Cu(II) の反応を利用したタンパク質定量法・ビウレット法 の改良版である。
トリペプチド以上のペプチドまたはタンパク質を、Cu(II) を含む溶液とアルカリ条件下で混合すると、含まれる 窒素 原子がCu(II) を Cu(I) に還元する (2)。ビウレット法では、この Cu(I) の呈色を 540 nm 吸光度で測定する。
ローリー法では、さらに Folin-Ciocalteu 試薬をさらに添加することによって、リンタングステン酸とリンモリブデン酸を還元し、その結果 650~750 nm 付近に吸収極大が生じると文献 2 に書かれている。これはビウレット法と全く独立に思え、ビウレット試薬と Folin-Ciocalteu 試薬を同時に使う理由がよくわからない。調べて更新する。
ローリー法の長所と短所
ローリー法には、以下のような特徴がある (2)。
長所
- 定量範囲が 1 – 1,500 µg/mL と高感度である (2)。
- ビウレット法と同様にペプチド結合を検出するため、アミノ酸組成に影響を受けない。
短所
- 反応に約 40 分と時間がかかる (2)。
- 廃液に重金属である銅が含まれる。
- 還元反応を利用しているため、還元物質のコンタミに影響されやすい。
- 界面活性剤、グリセロール、トリシン、EDTA、トリスなどさまざまな物質で沈殿が生じてしまう。
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References
- Amazon link: Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Fourth Edition Cold Spring Harbor Laboratory Press.
鈴木 2018a (Review). 総タンパク質の定量法. ぶんせき.