芳香族アミノ酸などを合成する経路: シキミ酸経路
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概要: シキミ酸経路とは
シキミ酸経路 shikimate pathway は、植物やバクテリアなどの微生物に存在する、芳香族アミノ酸 (フェニルアラニン、トリプトファン、チロシン) の生合成経路である (図、文献 1)。動物には見られない。これらのアミノ酸は フラボノイド や アルカロイド の原料でもあるので、シキミ酸経路は植物の二次代謝産物合成においても重要な経路である。
シキミ酸経路の各反応
1: PEP と E4P の反応
シキミ酸経路の出発点は、解糖系 の中間産物であるホスホエノールピルビン酸 PEP と、ペントースリン酸経路 の中間産物であるエリトロース 4-リン酸 E4P の縮合による 7-ホスホ-2-デヒドロ-3-デオキシアラビノヘプトン酸 (DAHP) 合成である。
触媒する酵素は DAHP synthase (EC 2.5.1.54) であり、大腸菌の場合には 3 つの DAHP synthase が存在する。
バクテリアと植物
シキミ酸経路 shikimate pathway は、多くのバクテリアおよび植物に存在する、芳香族アミノ酸を合成する経路である。
バクテリアおよび植物では、チロシンは prephenate から生合成される。Prephenate は脱炭酸を受けた後、グルタミン酸からのアミノ基転移によって合成される。
References
Desmet et al., 2021a. Origin and function of structural diversity in the plant specialized metabolome. Plants 10, 2393.
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