不飽和化酵素: 脂肪酸に二重結合を導入する酵素

protein_gene/d/desaturase
8-7-2017 updated

  1. 概要: desaturase とは
  2. Δ デサチュラーゼ
  3. ω デサチュラーゼ

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概要: desaturase とは

不飽和化酵素 desaturase は有機化合物から 2 個の水素原子を除去する酵素で、この反応の結果として C-C の一重結合から C=C の二重結合が作られる。大きくデルタ Δ とオメガ ω に分類される。

Δ desaturase は、脂肪酸のカルボニル基 (-COOH) から一定の位置に二重結合を導入する。例えば Δ6 desaturase なら -COOH から 6 番目の位置に二重結合を入れる。

一方、ω desaturase はメチル基 (-CH3) から一定の位置に二重結合を入れる。



図は DHA の構造である。Δ と ω の違いを理解しておきたい。脂肪酸 fatty acid のページに、構造や命名法の詳しい解説がある。


Δ デサチュラーゼ

哺乳類は Δ4, Δ5, Δ6 および Δ9 desaturase をもっている (1)。ω desaturase をもたないことは脂肪酸合成において極めて重要である。

大まかに言うと、脂肪酸は アセチル CoA を ACC や FAS という酵素 enzyme を用いて繋げていくことによって合成される。炭素数 16 の脂肪酸 palmitoic acid が脂肪酸合成酵素の主な生成物である。

哺乳類が不飽和脂肪酸を合成する際、二重結合を導入できるのは Δ9 よりも -COOH 基側のみである。つまり、ω 側から数えて 3 番目および 6 番目の位置は 遠すぎて二重結合を入れられない。ゆえに、これらの位置に二重結合をもつ脂肪酸が必須脂肪酸になる。

一方、elongase という酵素は脂肪酸を伸長することができ、これは -COOH 側に 2 個ずつ炭素を付け足していく。つまり、ω3 位に二重結合をもつ炭素数 18 の脂肪酸があれば、これを ω3 のまま炭素数 20 にすることができるわけである。

以上の酵素の特徴が、ヒトがリノール酸 18:2n-6 およびリノレン酸 18:3n-3 を必須脂肪酸とする理由である。


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References

  1. 訳: 清水 2015a. イラストレイテッド ハーパー生化学.