制限酵素

experiments/dna/restriction_enzyme
9-1-2017 updated


  1. 概要: 制限酵素とは
    • 認識配列の特徴
  2. 制限酵素を使った実験
    • 反応時間をどう決めるのか

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概要: 制限酵素とは

制限酵素 restriction enzyme, restriction endonuclease とは、2 本鎖 DNA 中の特定の認識配列 (recognition sites or recognition sequences) を認識し、切断する酵素 enzyme である (2)。

制限酵素は様々な原核生物から発見され、本来の機能は外来の (ウイルス由来の) DNA を分解することである。制限酵素は、認識配列中の塩基がメチル化 methylation されているとその部位を切断しない ため、自身の DNA はメチル化によって防御されるようになっている (2)。


活性発現機構

通常、Mg2+ などの 2 価イオンが活性発現に必要である (2)。水分子 water からプロトンを引き抜き、DNA のリンを求核攻撃させていると考えられるが、文献 2 には「理由はよくわかっていない」と書かれている。

一つ明らかなことは、制限酵素は認識配列以外の DNA にも結合する ということである (2)。結合しないと塩基配列を読めないだろうから、当然といえば当然であるが。その先、DNA が折れ曲がる kink して、酵素が Mg2+ と結合し、活性部位と切断部位が十分に近くなることで鎖の切断が起こる。このステップが配列に特異的である。なお、メチル基は酵素と切断部位を空間的にブロックして切断を防いでいる。


認識配列の特徴

ほとんどの認識配列は パリンドローム palindromic である (2)。これは、制限酵素のタンパク質としての構造に由来している。


制限酵素を使った実験


反応時間をどう決めるのか

制限酵素反応の時間は、酵素の量と消化する DNA の量から計算して決める。プロトコールには、しばしば「37℃、1 時間」などとのみ書かれているが、この原則を知っていれば、自分でプロトコールを改変することができるはずである。

たとえば、タカラの制限酵素活性の 1 U (ユニット) は、各酵素反応液 1 µl 中、原則として 37 ℃、1 時間に 1 µg の λ DNA を完全に分解する酵素量」と定義されている。制限酵素溶液は、通常 1 U/µl の濃度で提供されているので、消化したい DNA が 1 µg ならば、1 時間の反応で十分であると考えることができる。

ベクター構築後のインサートの確認など多少の切れ残りがあっても良い場合、ligation 前など切れ残りを極力減らしたい場合など、状況に応じて判断する。

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References

  1. 制限酵素の活性の定義、純度検定、保存、添付Bufferについて. Takara Website. Link.
  2. Amazon link: ストライヤー生化学: 使っているのは英語の 6 版ですが、日本語の 7 版を紹介しています。参考書のページ にレビューがあります。