PCR プライマー: 設計方法、汎用プライマーの配列など

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2018/08/29 更新


  1. プライマー設計の基本ルール
  2. 制限酵素サイトを付加したプライマー
  3. ロング PCR 用のプライマー
  4. 縮重プライマー
  5. 汎用プライマーの配列

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プライマー設計の基本ルール

プライマー設計では、多くのパラメーターが「あちらを立てればこちらは立たず」という状況にある。したがって「常にベストなプライマー配列」というものは存在せず、PCR の目的に応じて最適なプライマーを設計する必要がある。考慮すべきポイントの概要は以下の通り。

長さ

18 - 30 塩基程度。長いプライマーは特異性が上がるが、アニーリング効率が下がるので収量は低下する (1)。


GC 含量

  • 40-60% にする (1)。
  • G および C が連続して存在しないようにする (1)。

Tm 値

  • 55-65℃ にする (1)。

二次構造

プライマーが二次構造を作らないような配列にする (1)。


制限酵素サイトを付加したプライマー

PCR 増幅産物をベクターに組み込む際に、プライマーの 5' 側に制限酵素 restriction enzyme の認識配列を付加することがある。設計の仕方は 制限酵素を使ったベクター構築 のページに示す。

重要な点は

  • 5' 側なら増幅に問題は生じにくい。もちろん、3' 側の配列がテンプレートと異なっている場合、PCR が成功する確率は極めて低くなる。
  • DNA または cDNA 溶液をテンプレートに、制限酵素サイトのついたプライマーで PCR しても増幅する場合が多い。しかし、いったん制限酵素サイトなしのプライマーで増やし、T ベクターなどに組み込んだものをテンプレートにするのが個人的には望ましいと思う。

ロング PCR 用のプライマー

  • 長いプライマーを使う。文献 2 では 26 塩基。
  • Tm 値を高めにする。文献 2 では 68℃。

プライマー配列がユニークであること、標的配列中に SNP がないこと。これらは普通の PCR プライマーでも重要であるが、より難しいロング PCR ではクリティカルである。


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縮重プライマー

多くの生物でゲノム配列が手に入る現在、縮重プライマーに対する需要は激減している。CODEHOP や HYDEN のように有名だった縮重プライマー設計ツールも閉鎖しているという状態だ。

2018 年 8 月に探してみたところ、この DECIPHER というサイトがオンラインの縮重プライマー設計ツールとして唯一使えそうなものだった。これを見つけるのにも 30 分ぐらいかかった。

使用方法はけっこうクセがある。

  • FASTA file をアップロードするが、aligned fasta という珍しい形式を要求する。Clustal Omega でアウトプットを fasta に指定し、結果をダウンロードすれば得ることができる。
  • FASTA file に含まれる配列のうち、一つをターゲットに指定する必要がある。
  • 私の場合、結果はブラウザ上に表示されず、Detailed なんとかというところをクリックするとコンマ区切りテキストとして現れる。

汎用プライマーの配列

汎用プライマーの配列は、文献によって多少配列が異なる場合が多い。出典とともに示しておく。

名称 配列など (5' - 3')

M13F

  • GTAAAACGACGGCCAGT
  • TGTAAAACGACGGCCAGT (Eurofins website)

M13F43

  • AGGGTTTTCCCAGTCACGACGTT (Eurofins website)

M13R

  • CAGGAAACAGCTATGAC
  • CAGGAAACAGCTATGACC (Eurofins website)

M13R49

  • GAGCGGATAACAATTTCACACAGG (Eurofins website)

T7 promoter

TAATACGACTCACTATAGGG (Addgene website)

T7 terminator

GCTAGTTATTGCTCAGCGG (Addgene website)

sp6 promoter

ATTTAGGTGACACTATAG (Addgene website)


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References

  1. Roche オンラインマニュアル. プライマー設計とテンプレートの調製. Pdf file.
  2. 国立遺伝学研究所 細道一善. 疾患関連遺伝子の long-range PCR Nextera 解析. Pdf file.