消化器官の概要と目次

UBC/tissue/stomach/digestive_overview

このページの最終更新日: 2024/02/14

  1. 消化器官の概要
  2. 消化器官に関する用語集
    • 臓器など
    • 臓器の部分構造
    • 消化器官にある細胞

広告

消化器官の概要

消化器官の主要な機能は、以下の 4 つである (1)。

  1. Ingestion: 食べ物を消化器官に入れる。
  2. Digestion: 食べ物を小さい分子へと分解する。
  3. Absorption: 栄養分を体内に吸収する。
  4. Elimination: 吸収されなかった物質を排出する。

扁形動物や刺胞動物では、上記の 1 から 4 は gastrovascular cavity で行われる (1)。つまり、消化系に外界に開く口が一つしかなく、ingestion および elimination の両方がその一つの穴を使ってなされる。もっと平たく言うと、口と肛門が同一である。

その他の動物の多くは、口 mouth と肛門 anus をもつ管状の消化系がある (1)。図はヒトの消化器官の概要を示したもの (Public domain)。

ヒトの消化器官の概要

さらに、脊椎動物には排出腔 cloaca が存在することが多い (1)。繁殖に使われる穴と、排出に使われる穴が同じときにこのように呼ぶ。要するに男性の尿が出る穴である。

消化器官に関する用語集

消化系は、食物が実際に通る管である消化管 digestive tract と、そこに消化に必要な酵素などを分泌する accessory organ に分類される。

消化管は口、咽頭 pharynx、 食道 esophagus、胃、小腸、大腸、直腸 rectum などであり、accessory organ には唾液腺 salivary glands、膵臓 pancreas、肝臓 liver などがある。


臓器など

食道
Esophagus

Esophagus [ɪ'sɒfəɡəs] はアメリカ英語のスペルで、イギリス英語では oesophagus となる。口腔と胃を繋ぐ部分。


Stomach

胃底 fundus、幽門 pylorus などの部分構造がある。

小腸
Small intestine

十二指腸、空腸、回腸に分類される。ヒトでは約 6 m の長さをもつが、筋肉の収縮のため体内では 3 m ほどである。

炭水化物 の消化物は 血液 に、脂肪 の消化物はリンパに入る (1)。

十二指腸
Duodenum

小腸の一部で、胃に最も近い部分。ヒトでは約 25 cm。指の幅の約 12 倍の長さがあるということから、この名がつけられた。腸間膜がない。

空腸

十二指腸に続く小腸の一部。空腸および回腸には腸間膜があるので、腸間膜小腸と総称されることもある。

一般に、回腸よりも筋層が発達しており、食物を運ぶ力が大きい。そのため腸管は空であることが多く、これが名前の由来にもなっている。

回腸
Ileum

空腸に続く小腸の一部。空腸との間に、明確な仕切りは存在しない。

体輻
たいふく
Atimere

動物は左右または放射相称の体をもつが、相称面で体を分類したときの各部分を体輻という。つまり、ヒトなら右半分または左半分のこと。


臓器の部分構造

実質
Parenchyma

肝臓の実質、などのように使う。

Liver sinusoid

Sinusoid は正弦波の意味で、正弦波のような形をした肝臓の血管のこと。

粘膜固有層
Lamina propria

粘膜を構成する層の一つで、粘膜上皮の下に位置する。結合組織から成り、一般に「粘膜」といった場合、上皮層およびこの固有層を意味する。

粘膜固有層には、粘液を分泌する腺が存在する。

Gastric rugae

胃の粘膜などにあるヒダ状構造のこと。これがあることによって、胃が拡張することが可能になる。

Epithelial lining

上皮内層。


消化器官にある細胞

上皮細胞の概要 も参照のこと。

杯細胞
Goblet cell

粘液分泌性の単細胞腺。腸の絨毛では吸収上皮細胞の間に存在する。写真は小腸の杯細胞 (2)。

腸細胞
Enterocyte

エンテロサイトとは、腸で栄養分を吸収する細胞のことで、小腸および大腸の表面に存在する上皮細胞のことである。図 (3) のように、微絨毛 microvilli をもつのが特徴。

微絨毛
Microvilli


広告

References

  1. Amazon link: Starr et al. 2016a. Biology Today & Tomorrow.
  2. Copyrighted free use, リンク
  3. By <a href="//commons.wikimedia.org/w/index.php?title=User:Boumphreyfr&amp;action=edit&amp;redlink=1" class="new" title="User:Boumphreyfr (page does not exist)">Boumphreyfr</a> - <span class="int-own-work" lang="en">Own work</span>, CC BY-SA 3.0, Link

コメント欄

サーバー移転のため、コメント欄は一時閉鎖中です。サイドバーから「管理人への質問」へどうぞ。