トリアシルグリセロール: 主要な貯蔵脂質
aa_carbo_lipid/lipid/tag
2018/11/13 更新
- 概要: トリアシルグリセロール (TAG) とは
- TAG の合成
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概要: トリアシルグリセロール (TAG) とは
トリアシルグリセロール TAG は、1 分子のグリセロールに 3 分子の脂肪酸 fatty acid がエステル結合した図のような分子である (1)。脂肪酸の種類によって性質が異なる。
英語での発音は普通の辞書には載っていないが、glycerol [glis(ə)rɑl] と triglyceride [trɑiglisərɑid] の発音から推察すると、トリは 「トライ」 と読み、gli の部分にアクセントが来ると思われる。
TAG はエネルギーの貯蔵物質であり、およそ 38 kJ/g (9 kcal/g) のエネルギーをもっている (2)。これは炭水化物やタンパク質の 17 kJ/g よりもかなり多い。その理由は以下の通り。
- TAG 中の脂肪酸は、炭水化物やタンパク質よりも還元状態が高い。つまり酸化によって多くのエネルギーを生み出せる。
- TAG は疎水性であり、水分子を必要とせず、コンパクトに貯蔵できる。実際に、1 g のグリコーゲンは 2 g の水と水和している。
TAG の合成
TAG は、アシル CoA とグリセロール-3-リン酸から作られる。アシル CoA は活性型の脂肪酸であり、グリセロール-3-リン酸は解糖系の中間体である。つまり、TAG 合成は脂質代謝と糖代謝の合流点であると言える。
これらの基質の供給源には、以下のように複数の経路が知られている。
アシル CoA
- 脂肪酸がコエンザイム A と結合して生じる。
グリセロール-3-リン酸
- グリセロール glycerol がグリセロールキナーゼによって 3 位でリン酸化されて生じる (3I)。
- 解糖系 glycolysis の中間体であるジヒドロキシアセトンリン酸 DHAP が G-3-P dehydrogenase によって還元されて生じる。
この反応は小胞体で起こる。
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References
- By Wolfgang Schaefer - author, Public Domain, Link
- Amazon link: ストライヤー生化学: 使っているのは英語の 6 版ですが、日本語の 7 版を紹介しています。参考書のページ にレビューがあります。
Nye et al. 2008a. Glyceroneogenesis is the dominant pathway for triglyceride glycerol synthesis in vivo in the rat. J Biol Chem 283, 27565–27574.Brasaemle and Wolins 2012a (Review). Packaging of fat: an evolving model of lipid droplet assembly and expansion. J Biol Chem 287, 2273-2279.