トランスフェクション (細胞への遺伝子導入):
方法、種類などの概要

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このページの最終更新日: 2025/01/05

  1. 概要: トランスフェクションとは
  2. ウイルスを使う方法

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概要: トランスフェクションとは

位相差顕微鏡と普通の顕微鏡の見え方の違い

ウイルスを使う方法

よく使われる ウイルス ベクターには、以下の 4 種類がある (2)。

  • レトロウイルス
  • レンチウイルス
  • アデノウイルス
  • アデノ随伴ウイルス (AAV)

レトロウイルス

  • 遺伝子導入位置はランダム。場合によっては、重要な遺伝子の領域に挿入され、細胞に影響が出る可能性もある。ただし、そのような細胞の割合は少ないと考えられる (2)。
  • 分裂中の細胞にしか遺伝子導入ができないため、神経細胞、筋細胞のような非分裂性の細胞には向かない。

レンチウイルス

一般にベクターとして使われるレンチウイルスは、AIDS の原因である human immunodeficiency virus type-I (HIV-1) をもとにしたウイルスである。

ウイルスの分類上、HIV-1 もレトロウイルスに属する。トランスフェクションで一般に使われる用語は、実験法を意味するもので、ウイルスの分類を厳密に表現したものではないことに注意する。

  • Lenti-X Packaging Single Shots シリーズ (Takara) など
  • タカラバイオ AAVpro シリーズ
  • コスモバイオ AAV-1 helper free expression system: ヘルパーウイルスなしでリコンビナント AAV を構築できる。

アデノウイルス

アデノ随伴ウイルス (AAV)

アデノ随伴ウイルス (adeno-associated virus, AAV) は、分裂期の細胞だけでなく、非分裂期の細胞にもトランスフェクションが可能であり、さらに病原性のある AAV がこれまでに確認されていないこともあり、遺伝子治療やヒトの疾患モデル細胞の作成などによく用いられる。1型から5型まである。

AAVの構造 位相差顕微鏡の原理
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References

  1. Lunev et al., 2022a. Adeno-associated viruses for modeling neurological diseases in animals: achievements and prospects. Biomedicines 10, 1140.
  2. 三宅、島田 2012a. ウイルスベクターによる遺伝子導入と発現. 日医大会誌 8, 150-156.

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