脂肪細胞: 概要と目次

cell/adipocyte/adipocyte_overview
2018/05/23 更新

  1. 概要: 脂肪細胞とは
  2. 油滴について
    • 油滴の大きさ
    • TAG 型油滴と CE 型油滴

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概要: 脂肪細胞とは

脂肪細胞 adipocyte とは、細胞内に大きな油滴 lipid droplet をもつ細胞である。脂肪を蓄える役割のほか、様々なホルモンを分泌し、代謝をコントロールする機能もある。

脂肪細胞の数は、発生段階の早い時期に決定される (5)。


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油滴 lipid droplet について

油滴 lipid droplet は脂肪細胞を特徴づけるオルガネラであるが、小さい油滴は他の細胞にも存在する。当面、このページに油滴に関する情報を載せておくが、内容が増えてきたらオルガネラとして独自のページを作る。

油滴は トリアシルグリセロール (TAG) やコレステリルエステル (CE) を中心部にもち (疎水性コア)、表面は リン脂質の一重膜 とタンパク質に覆われている。

以下のような理由から、油滴は小胞体 endoplasmic reticulum, ER によって作られると考えられている。作られた油滴は、脂肪酸を代謝できる ミトコンドリアペルオキシソーム の近くに局在する。

  • 酵母では、小胞体膜と油滴の膜は繋がっていることが膜タンパク質の組成から示唆されている (1)。
  • 動物細胞では、油滴が大きくなると小胞体から出芽する。両者のタンパク質組成は異なっている (1)。
  • 脂質合成 lipogenesis の最終段階を触媒する酵素は ER に局在する (1)。


油滴の大きさ (最小値)

油滴 lipid droplet の大きさは、当然のことながら細胞の状態によって異なる。以下のような観察結果を総合すると、生細胞での LD の大きさの 最小値 は光学顕微鏡の解像度限界以下であると予想される (2)。In vitro の油滴形成モデルからの知見も生かされている。


> Oleic acid loaded rat 3Y1 fibroblast を染色すると、直径約 1 µm (2)。
  • 200 - 300 nm ぐらいのものが最小サイズ。

電顕では、直径 50 nm の油滴が観察されている (2)。1H-NMRで 直径 25 nm のものがあることが示されているが、これには議論がある (2)。

> In vitro model, atomic force microscopy: 平均して直径 50 nm, 高さ 15 nm の wax ester globules (2)。

容積に関する報告もある。Epididymal adipose tissue of ApoE KO mice and LpLKO mice. 2500 - 3000 µm2 (4).

> カイコ pheromone gland で、羽化前後の LD size を測定した論文 (3)。
  • 羽化前には 2 - 7 µm の小さい油滴が少しある。羽化に向けて大きく (5 - 12 µm) なる。
  • 直径は 12 - 14 µm の油滴が extra large LD と表現されている。

TAG 型油滴と CE 型油滴

油滴には、トリアシルグリセロール およびコレステリルエステルを中心とする 2 種類がある (6R)。それぞれに対応した ペリリピン が存在する。

下の図は、Hsieh et al. (2012; ref 6) の図で、蛍光標識した 脂肪酸 または コレステロール を培地に加え、細胞に取り込ませたものである。

脂肪酸 (赤) およびコテステロール (緑) が異なる場所に局在していることがわかる。さらに、これらはリソソーム、ミトコンドリア および early endsome のマーカーとも重ならないので、これらのオルガネラではなく、おそらく油滴として存在していることもわかる。


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References

  1. Brasaemle & Wolins 2012a (Review). Packaging of fat: an evolving model of lipid droplet assembly and expansion. J Biol Chem 287, 2273-2279.
  2. Fujimoto et al. 2008a (Review). Lipid droplets: a classic organelle with new outfits. Histochem Cell Biol 130, 263-279.
  3. Fonagy et al. 2001a. Physiological status and change of cytoplasmic lipid droplets in the pheromone-producing cells of the silkmoth, Bombyx mori (􏱂Lepidoptera, Bombycidae). Arthropod Struct Dev 30, 113-123.
  4. Takahashi et al. 2013a. Macrophage lipoprotein lipase modulates the development of atherosclerosis but not adiposity. J Lipid Res 54, 1124-1134.
  5. Spalding et al. 2008a. Dynamics of fat cell turnover in humans. Nature 453, 783-787.
  6. Hsieh et al. 2012a. Perilipin family members preferentially sequester to either triacylglycerol-specific or cholesteryl-esterspecific intracellular lipid storage droplets. J Cell Sci 125, 4067-4076.

Hsieh et al. (2012a) is an open-access article distributed under the terms of the Creative Commons Attribution License, which permits unrestricted use, distribution, and reproduction in any medium, provided the original author and source are credited. Also see 学術雑誌の著作権に対する姿勢.