Na+/K+ ATPase:
構造、機能、局在、活動電位との関係など

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このページの最終更新日: 2023/01/19

  1. 概要: Na+/K+-ATPase とは
  2. Na+/K+-ATPase の局在

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概要: Na+/K+-ATPase とは

Na+/K+-ATPase (EC 3.6.3.9) は、ATP 加水分解のエネルギーを利用して細胞内外のイオン濃度の勾配を作り出す膜タンパク質である。単にナトリウムポンプとも呼ばれる。

ATP 1 分子が加水分解されるとき、細胞内から 3 分子の Na+ を汲み出し、細胞外から 2 分子の K + を取り込む。その結果、図 (Public domain) のように K+ 濃度が細胞内で高くなり、細胞内が負に帯電するようになる。これが、膜電位 の発生するメカニズムである。

Na+ と K+ のどちらの細胞内濃度が高いか覚えにくいときは、塩化カリウム KCl を静脈注射すると細胞外の K+ 濃度が上がって死亡することを思い出すとよい。

Na/K ATPase

細胞膜に存在するイオンなどの通り道となるタンパク質は、この分子のように ATP などのエネルギーを使ってエネルギー勾配に逆らった輸送をするポンプ pump と、熱力学的に自然な方向の輸送のみを行うチャネル channel に分類される (2)。

ATP の分解には、他の多くの酵素と同じように Mg2+ が必要である。

> この分子は P-type ATPase というファミリーに属する。

  • このほか ABC transporter (ATP-binding cassette) というグループがある。
  • ヒトのゲノムには 70 の P-type ATPase があり、基本的に同じ仕組みで膜輸送を行っている。
  • ABC transporter はヒトで 150 個以上、E. coli で 79 個が報告されている。

ATP 加水分解に伴うイオンの移動をもう少し詳しくみると、次の図のようになる (Public domain)。

Na-Kポンプ
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Na+/K+-ATPase の局在

原則的には全ての細胞で発現しているが、イオン交換を行う腎臓で発現量が多い (4)。尿細管での発現はみられるが、糸球体では免疫染色で発現が確認されない。魚類では、エラにイオン交換を担当する塩類細胞という細胞があり、そこでも発現がみられる。

> 細胞分画の実験で、plasma membrane の selective marker として使用可能 (1)。

  • この酵素の選択的阻害剤である ouabain とともに使用している。

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References

  1. Na+/K+-ATPase の局在Cole and Waddel 1976a. Alteration in intracellular sodium concentration and ouabain-sensitive ATPase in erythrocytes from hyperthyroid patients. J Clin Endocrinol Metab 42, 1056-1063.
  2. Amazon link: ストライヤー生化学: 使っているのは英語の 6 版ですが、日本語の 7 版を紹介しています。参考書のページ にレビューがあります。
  3. Ura et al. 1996a. Localization of Na+, K+-ATPase in tissues of rabbit and teleosts using an antiserum directed against a partial sequence of the α-subunit. Zoolog Sci 13, 219-227.

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