G6PD

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このページの最終更新日: 2022/08/30

  1. 概要: G6PD とは
  2. G6PD と脂肪酸合成
  3. G6PD と酸化ストレス耐性

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概要: G6PD とは

グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ (EC 1.1.1.49) は、解糖系 glycolysis の中間代謝産物であるグルコース-6-リン酸 G6P を脱水素する酵素である (1)。一般に G6PD または G6PDH と書かれる。

ペントースリン酸経路

G6PD の反応によって得られた水素は、ペントースリン酸経路 で NADP+NADPH に還元するために使われる (図、Public domain)。解糖からペントースリン酸経路への入口の反応である。

G6PD と脂肪酸合成

ペントースリン酸経路で作られる NADPH は、脂肪酸合成コレステロール 合成、脂肪酸の elongation などに使われる。

G6PD と酸化ストレス耐性

G6PD 活性の低下は、赤血球の溶解 hemolysis をもたらし、hemolytic anemia の原因となる (1)。この事実は、ペントースリン酸経路の意義を考える上で重要である。

すなわち、NADPH に含まれる高エネルギーの電子は、FAD を経由して グルタチオン の還元に使われる (1)。G6PD の活性が低下すると、酸化ストレスへの感受性が高くなる。つまり、最も表現型として現れやすいペントースリン酸回経路の機能は、赤血球への酸化ストレス耐性付与であると言える。

G6PD deficiency は、赤血球、に異常をもたらす変異の中では最も頻度が高い疾患で、世界で 4 億人以上がG6PD 遺伝子異常を有するとされる (2)。マラリアへの耐性をもたらしたため、約 10% の African-American がこの変異をもっている。

> その機能を反映して、一般に G6PD は酸化ストレスで誘導されるようである。

  • 文献 4 には the oxidative stress-mediated enhancement of G6PD expression is a general phenomenon という記述がある。

G6PD 欠損症

G6PD deficiency には、酵素活性の低下をもたらす変異なども含まれる (3)。「欠損」という日本語からイメージされるように、酵素が完全に失われているわけではないので注意すること。「欠乏症」「異常症」という表現もあり、これらの方が適切と思われる。

G6PD の活性がどれくらい残っているかによって、この病気はクラス分けされている (3)。

Class

G6PD 活性 (% normal)

症状

I

10% 未満

Chronic nonspherocytic hemolytic anemia

II

10% 未満

None

III

10 - 60

IV

100%

V

100% 以上

None


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References

  1. Berg et al. 2006a. (Book). Biochemistry, 6th edition.

Berg, Tymoczko, Stryer の編集による生化学の教科書。 巻末の index 以外で約 1000 ページ。

正統派の教科書という感じで、基礎的な知識がややトップダウン的に網羅されている。その反面、個々の現象や分子に対して生理的な意義があまり述べられておらず、構造に偏っていて化学的要素が強い。この点、イラストレイテッド ハーパー・生化学 30版 の方が生物学寄りな印象がある。

英語圏ならば学部教育向けにはややレベルが高い印象。しかし、基本を外さずに専門分野以外のことを 研究レベルで 英語で読みたいという日本人には非常に適しているだろう。輪読とかにも向いているかもしれない。翻訳版はストライヤー生化学として売られている。


  1. グルコース-6-リン酸脱水素酵素欠乏症. Link: Last access 2019/02/20.
  2. Luzzatto et al. 2016a. Glucose-6-phosphate dehydrogenase deficiency. Hematol Oncol Clin N Am 30, 373–393.

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