アカデミックライティング (日本語)

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このページの最終更新日: 2020/06/11

  1. 概要
  2. パラグラフ・ライティング
  3. 曖昧な記述は避ける
  4. なくても意味の変わらない語は削る
  5. 文章の順番: 目の動き
  6. 高級技: 力強い文章
  7. 日本語と英語の対応表

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概要

このページでは、研究費の申請書などを書くにあたっての 文章に関する技術的なポイント をまとめます。内容については 学振 DC1 申請書の書き方予備データ、業績など などのページを参考にして下さい。


パラグラフ・ライティング paragraph writing

英語ではよく言われることだが、科学的な文章では、日本語でもパラグラフ・ライティングのルールを守った方がわかりやすくなる。

  1. 1 つのパラグラフには、1 つのトピックを書く。必ずしも明確にできない場合もあるだろうが、少なくとも「これは〜のパラグラフ」とシンプルに言い表せるような構造が望ましい。
  2. パラグラフの最初の文章は topic sentence であり、そのパラグラフの内容を代表する文章になる。

以上のルールが守られた文章ならば、理想的には パラグラフの最初の文章を追っていくだけで、全体の内容が大体理解できるような申請書 が仕上がるはずである。このためには、まずは 書きたいことを箇条書きにしてみる のが有効である。箇条書きの 1 項目が 1 つのパラグラフになっていくことだろう。

Topic sentence の場所

Topic sentence は通常パラグラフの最初に置かれるが、文章の流れから他の場所に置かざるを得ない場合もある。そのような場合にも、パラグラフの最初にはパラグラフの方向性を示す文を置くべきである (1)。


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曖昧な記述は避ける

科学的な文章で曖昧さをなくすために、私は以下の点を心がけている。

  1. 可能な限り具体的であること
  2. 解釈が一意的に定まること

可能な限り具体的であること

たとえば、薬剤 A で処理したサンプルと対照サンプルで ウエスタンブロット を行い、とある タンパク質 を定量したとする。薬剤 A 処理によってタンパク質が増えたと言いたいときに、「この 変化 は・・・」と書くのは良策ではない。

「この 増大 は・・・」と書くのが基本である。

もちろん、このルールは文脈によって柔軟に適用すべきだが、もし意識せずに「変化が・・」という表現が出てくるなら要注意。

おそらく、読者は脳内で「変化」を「増大」に読み替えているので、あなたの文章を読むのに少しだけ余計なエネルギーを使っている。この積み重ねが「読みやすい文章」「読みにくい文章」を作ってしまうのである。

英語でも同様。このケースなら、change ではなく increase を使った方が、具体的で読みやすい文章になる。


解釈が一意的に定まること

指示語の多用は注意。


なくても同じ意味の語は削る


文章の順番・目の動き


高級技・力強い文章

日本語と英語の対応表

Google Scholar には日本語文献も含まれているので、" " で囲って検索すれば、用語の使用例が出てくる。

いずれ、他の英語一覧のページと組み合わせて完全なリストにしたい。


英語表現

Briefly, ...

プロトコールなどを、基本的には引用しつつも、簡潔に示すときに Materials & Methods でよく使われる。

(data not shown)

(図示せず) と書くことが多い。

limitation

Discussion でしばしば言及される Limitations of this study は、ちょっと不自然な気がするが「本研究の限界」である。

「本研究の問題点」の方が自然な日本語のように思えるが、使用例は少ない。

markedly, significantly

統計的有意差を意味して significantly を使うときは「有意に」とする。significant には、統計的意味を込めずに単に程度を強調する意味もある。統計的な用法と紛らわしいので、英語でもこの用法は推奨されない。

単に差が大きいと言いたいときは、markedly などが使われ、日本語では「顕著に」「著明に」などと訳される。ただし、これも主観的な用語であることは意識しておくべき。

細胞培養関係

「播種」disperse、「継代」subculture、「沈渣」pellet など、遠心分離で沈殿したものをこう呼ぶ。

動物実験関係

「自由摂取」ad libitum feeding、「無作為に割り付ける」randomly assign、「盲検」blind test、


試薬など

PBS

Phosphate-buffered saline の略。日本語ではリン酸緩衝生理食塩水。

IACUC

Institutional Animal Care and Use Committee で、正式名称は大学名とともにググると出てくるはず。単に「動物実験委員会」という名前がついているケースが多そうである。

「動物実験委員会の承認を得て実施した (承認番号***)」のようになるだろう。

IRB

Institutional Review Board で、正式名称は大学名とともにググると出てくるはずだが、「治験審査委員会」という名前がついているケースが多そうである。


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References

  1. 山口 2004a. 初心者でもわかるバイオ系文章作成の 9 のルール 第 1 回. 実験医学 22, 876-881.
  2. 山口 2004b. 初心者でもわかるバイオ系文章作成の 9 のルール 第 2 回. 実験医学 22, 988-993.
  3. 山口 2004c. 初心者でもわかるバイオ系文章作成の 9 のルール 第 3 回. 実験医学 22, 1305-1310.

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