官能基の一覧: 構造、特徴など
UBC/biochem_basic/functional_groups
このページの最終更新日: 2024/07/13- カルボニル基系
- アルキル基系
- ヒドロキシ基系
- 芳香族系
- N を含むアミノ基系
- P を含むリン酸基系
- その他整理中
広告
カルボニル基系
名前・構造 | 説明 |
---|---|
カルボニル基 -C(=O)- |
A-C(=O)-B のように表したとき、A と B に何がつくかによって様々な別名で呼ばれる。カルボニル基はもっとも範囲が広く、A と B に何がついていても構わない。 一般に C=O の結合は反応性に富んでおり、オキソ化合物は様々な生体反応に関わる。 基質から非加水分解的にある基をとり去り 2 重結合を残す (または逆反応により 2 重結合にある基を付加する) 反応を触媒する酵素を リアーゼ lyase と総称するが、特に反応の平衡が合成に傾いているときこれをシンターゼとよぶ (文献 1、シンターゼとシンセターゼの違い も参照のこと)。 |
ケト基 R |
これが他の物質と反応して、例えば R-C(=O)-H のようにケトンでなくなったら、C=O の形は同じでもケト基ではなくなるので注意する。 |
アルデヒド基 R |
「ホルミル基」の発音は、日本語と英語でかなり違うので注意。 |
アシル基 -C(=O)R |
カルボニル基 + 炭化水素基 = アシル基 である。 アシル基ごと他の分子に転移する様々な代謝反応がある。それらの多くは、アシル基を一時的に Coenzyme A に移すことによって達成される。 |
カルボキシル基 -C(=O)OH |
|
カルバモイル基 -C(=O)NH2 |
尿素回路 で登場する。 |
アルキル基系
名前・構造 | 説明 |
---|---|
アルキル基 -CnH2n+1 |
パラフィン炭化水素から水素 1 原子を除いた残りの原子団 (2)。すなわち一般式 -CnH2n+1 で表される 1 価の基をいう (2)。
|
アリル基 -CH2CH=CH2 |
アリル基は慣用名、2-プロペニル基が IUPAC 名である。芳香族基を示す aryl group は、日本語ではアリール基と表記することになっている。 |
ヒドロキシ基系
名前・構造 | 説明 |
---|---|
ヒドロキシ基 -OH |
水酸基、ヒドロキシル基とも呼ばれる。英語では「ヒ」でなく「ハイ」になる。 |
芳香族系
名前・構造 | 説明 |
---|---|
アリール基 |
芳香族を含む官能基の総称。図 (3) はアリール基の一種であるフェニル基 phenyl group。-CH2CH=CH2 の allyl group は、日本語ではアリル基と表記される。 |
広告
N を含むアミノ基系
名前・構造 | 説明 |
---|---|
アミノ基 -NH2 |
アンモニア NH3 の水素が炭化水素基で置換されたものをアミン amine というので、アミノ基をもつ物質の多くはアミンであると言える。 |
ニトロ基 -NO2 |
複数のニトロ基をもつ物質は、爆発性があることが多い。トリニトロトルエン (TNT) は爆薬の原料として使われる。 |
P を含むリン酸基系
名前・構造 | 説明 |
---|---|
Phosphoryl group |
-PO32- |
Phosphate group |
-O-PO32- |
その他
数が増えてきたら整理。
名前・構造 | 説明 |
---|---|
アセチル基 -CH3C(=O)- |
英語の発音に注意。「チ」にならない。酢酸 acetate に似た構造をもつ官能基と覚えよう。 |
メルカプト基 チオール基 スルフヒドリル基 R-SH |
メルカプト基をもつ有機化合物を RSH を 一般に、揮発しやすく不快臭のある液体である。 |
イミダゾール基 |
ヒスチジンの Wikipedia では「イミダゾイル基」となっている。このあたりのカタカナと英語との対応は違いがよくわからないことが多く面倒である。 例: ヒスチジン |
シラノール基 -Si-OH |
シリカとは、二酸化ケイ素 SiO2 の別名である。Si は炭素と同様に 4 個の最外殻電子を持つ元素である。シリカのアルコール版のような Si-OH をシラノール基という。 薄層クロマトグラフィー TLC の担体として有名である。 |
オキソ基 |
二重結合の酸素原子 =O をオキソ基という。この結合を含む化合物は |
広告
References
- Science Encyclopedia. Carboxyl Group.
- 岩波 理化学辞典 第 4 版.
このサイトでは、私が持っている 1987 年の第 4 版を引用していることが多い。1998 年に第 5 版が発行されている。 ネット情報の問題点の一つは、信頼できる定義になかなか出会えないことである。Wikipedia には定義らしいことが書いてあり、普段の調べ物には十分なことも多いが、正式な資料を作るときにはその引用は避けたいものである。 そんなときに役に立つのが理化学辞典や生化学辞典。中古でも古い版でもよいので、とにかく 1 冊持っておくと仕事がはかどる。 |
- "Phenyl-group". Licensed under Public Domain via Commons.
- Amazon link:
Hine (2015). Oxford Dictionary of Biology.
コメント欄
サーバー移転のため、コメント欄は一時閉鎖中です。サイドバーから「管理人への質問」へどうぞ。