補酵素 coenzyme の概要と目次
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11-3-2017 updated
- 概要: 補酵素とは
- ビタミンと補酵素
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概要: 補酵素とは
岩波 理化学辞典 (Amazon) の定義は以下の通りである。
酵素 が複合 タンパク質 であって、その補欠分子族がタンパク質部分から多少とも可逆的に解離して存在するとき、この非タンパク質部分を補酵素 coenzyme という。 |
ここで補欠分子族 prosthetic group という難しい言葉が出てくるので、これの定義も調べてみる。
酵素タンパク質の活性中心に結合する非タンパク質性の基で、酵素が触媒する化学反応に直接関与し酸化還元を受けたりする部分をいう (2)。 |
つまり、酵素に結合して触媒反応を補助する分子で
- 解離しやすいのが補酵素
- 解離しにくいのが補欠分子族
と考えて良さそうである。ただし、解離しやすい・しにくいという違いに明確な定義はないので、これらの区別は場合によっては曖昧である。
英語の定義も Oxford Dictionary of Biology で調べてみよう (3)。
An organic nonprotein molecule that associates with an enzyme molecule in catalysing biochemical reactions. Coenzymes usually participate in the substrate-enzyme interaction by donating or accepting certain chemical groups. Many vitamins are precursors of coenzymes (3). |
とあり、ここでは解離に対する言及はない。一方、補酵素が酵素反応を補助するメカニズムに触れており、多くの場合官能基を提供することで酵素反応を補助すると書かれている。
実際、補欠分子族という言葉はあまり聞かないので、解離についてはこだわる必要はないのかもしれない。
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ビタミンと補酵素
補酵素の多くは、ビタミン B から合成される。主要なものを表にまとめた。
補酵素 | ビタミン | 関与する反応など |
Thiamine (B1) |
アルデヒド基の転移、脱炭酸。Thiamine pyrophosphate (TPP) は thiamine diphosphate (ThDP) とも呼ばれる。 酵素: PDH, PDC, ALS. |
|
Riboflavin (B2) |
酸化・還元反応 |
|
ナイアシン |
酸化・還元反応 |
|
Pantothenic acid |
アシル基の転移 |
|
Pyridoxal phosphate |
Pyridoxine (B6) |
アミノ酸 amino acids 間の官能基の転移 |
Biocytin |
ビオチン |
カルボキシル基の転移反応。ATP-dependent carboxylation, carboxyl-group transfer. 酵素: PC, ACC. |
Tetrahydrofolate |
チミン合成など |
|
5'-deoxyadenosyl cobalamin |
B12 |
メチル基の転移 |
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References
- Amazon link: ストライヤー生化学: 使っているのは英語の 6 版ですが、日本語の 7 版を紹介しています。参考書のページ にレビューがあります。
- Amazon link: 岩波 理化学辞典 第5版: 使っているのは 4 版ですが 5 版を紹介しています。
- Amazon link:
Hine (2015). Oxford Dictionary of Biology.