クロマトグラフィーの概要と目次: 原理、用語集など

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このページの最終更新日: 2024/02/14

  1. クロマトグラフィーとは
  2. クロマトグラフィーの基本用語集
    • 固定相と移動相
    • 線速度
    • 理論段数
  3. クロマトグラフィーの種類
    • 装置による分類
    • 分離モード (原理) による分類

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概要: クロマトグラフィーとは

クロマトグラフィー chromatography とは、混合物を分離する技術のことをいう。辞書などから定義を拾ってみる。岩波理化学辞典の定義が、過不足なく上手に定められていると思う。


  • 各種の固体または液体を固定相 (stationary phase) とし、その一端に置いた試料混合物を適当な展開材 (移動相 mobile phase) で移動させて、各成分の吸着性や分配係数の差異にもとづく移動速度の差を利用してこれを相互分離する技術を総称する (岩波 理化学辞典; Amazon)。
  • A technique for analysing or separating mixtures of gases, liquids, or dissolved substances, such as mixtures of amino acids orchlorophyll pigments (Oxford Dictionary of Biology; Amazon).

下の写真 (1) は、黒いインクを 薄層クロマトグラフィー で分離した結果である。クロマトグラフィーとは、このように混合物を分離する手法の総称であり、装置、原理などによってさまざまな種類がある。

黒インクの薄層クロマトグラフィー

概要: クロマトグラフィーの基本用語集

固定相と移動相


線速度

移動相の速度を示す場合、つい時間と流した量だけで 60 mL/h などとしてしまいがちであるが、実際はカラムの内径によって違いが出てくる。つまり、同じ 60 mL/h でも、カラムが太ければ試料と移動相の相互作用は少なくなる。

したがって、クロマトグラフィー (とくにカラムを使うもの) では、移動相の速度は、流体を断面積で割った 線速度 (linear velocity; LV) で表されるべきである。

線速度 = 流量 (m3/h)/断面積 (m2)

この式からわかるように、線速度の単位は m/h の次元になる。線速度はクロマトグラフィーだけでなく、流体の挙動を考える際によく使われる単位である。


理論段数

クロマトグラフィーの種類


装置

TLC

薄層クロマトグラフィー thin-layer chromatography。

FPLC

Fast protein liquid chromatography の略。原則として タンパク質 の分離に使われる。

HPLC

High pressure (performance) liquid chromatography で、密に充填されたカラムに高圧で液体を流す。

タンパク質のほか、多くの小分子に適用できる。

UPLC

Ultra pressure (performance) liquid chromatography で、HPLC よりもさらに高圧。

GC

ガスクロマトグラフィー gas chromatography。

移動相が液体でなく気体であるのが特徴。脂肪酸 など揮発性物質の分離に主に使われる。

分離モード (原理)

分配クロマトグラフィー

英語では partition chromatography という。試料はまず固定相に吸着され、移動相への溶解度の差によって分離される。TLC をイメージすればわかりやすいだろう。

極性の高い・低いは相対的な指標であるが、移動相の極性 > 固定相の極性となる場合に逆相系 reverse phase、そうでない場合を順相系 normal phase という。

サイズ排除クロマトグラフィー

Size exclusion chromatography。大きさによって分離する。ゲル濾過クロマトグラフィー がこれにあたる。

分子量の大きいものほど固定相との相互作用が少なくなるので、早く溶出する。普通の濾過とは異なるので注意すること。

イオン交換クロマトグラフィー

Ion exchange chromatography。固定相にはさまざまなイオン交換体が用いられる。この イオン交換 というのは、ちょっとややこしい概念である。

イオン交換とは、複数の物質間 (通常は固体および液体) の間で起こるイオンの交換のことを言う。たとえば、図 (2) では左側に 4 価のナトリウム塩がある。これに水をかけると、ナトリウムがカルシウムと交換される。このイオン交換によって、カルシウム含量が低く、ナトリウム含量の高い水ができることになる (硬水を軟水にするプロセス)。

イオン交換クロマトグラフィーの担体

では、これがどのようにクロマトグラフィーに応用されるのだろうか?

イオン交換クロマトグラフィーでは、固定相としてイオン交換体が使われる。試料がない状態では、たとえばこのイオンが水の H+ と結合している。

ここに正電荷をもつタンパク質などの試料を添加すると、その正電荷が水の H+交換され、試料が固定相に電気的相互作用によって捕獲される。

ここに、たとえば NaCl を含む移動相を流すと、タンパク質の正電荷は Na+ とさらに交換され、タンパク質が溶出してくるだろう。

したがって、イオン交換クロマトグラフィーは基本的に 試料の電荷 によって分離を行うが、その原理は固定相、試料および移動相のイオン交換であることを意識しておくと良い。

アフィニティークロマトグラフィー

Affinity chromatography。

References

  1. By オリジナルのアップロード者は英語版ウィキペディアNatrijさん - en.wikipedia からコモンズに移動されました。, CC 表示-継承 3.0, Link.
  2. By Smokefoot - Own work, CC BY-SA 3.0, Link

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