大腸菌の増殖と OD600

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このページの最終更新日: 2024/11/15

  1. 概要: OD600 とは
  2. 大腸菌の増殖と OD600
  3. 大腸菌培養に関するメモ

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概要: OD600 とは

OD600 の OD は optical density の略で、日本語では「光学密度」という。波長 λ における OD、ODλ は以下の式で定義される (1)。

ODλ = –Log10[Tλ/Iλ]

Tλ は透過光、Iλ は入射光である。OD600 は吸光度と同様に透過光の低下から算出されるが、この低下は主に 吸光ではなく菌体による散乱 によるものなので、意味合いとしては異なる。

液体培地中に存在する大腸菌の細胞数は、OD600 によって測定される。このページでは、主に大腸菌と OD600 についてまとめる。なお、大腸菌以外のバクテリアの細胞数を計測する際にも OD600 が使われるが、OD600 は散乱を見ている値なので、バクテリアの形状が違うと散乱の程度が異なり、値を比較することができなくなることは留意しておこう。

また、死んだ細胞でも散乱を起こすため、生菌数と異なることも重要である。

大腸菌の増殖と OD600

大腸菌 Escherichia coli は、生物学実験でよく使われる バクテリア である。通常は、栄養培地LB 培地 のような培地を使って増殖させる。

以下の図は、Thermofisher のテクニカルノート (2) から引用した大腸菌の増殖・細胞数と OD600 の関係である。JM109 株を、バッフルフラスコを用いて LB 培地で37℃で培養し、30分ごとに様々な機器で OD600 を測定している。培養液は、光学系の測光範囲内になるように適宜希釈。

大腸菌の増殖・細胞数と OD600 の関係

生菌数は、培養液を段階希釈して LB 寒天培地にプレーティングし、生えてきたコロニーの数を数えて CFU として計測している。OD600 では菌の生死は原則としてわからない ので、生菌数に興味がある場合は、この方法を採らなければならない。

10 時間程度の培養で、OD600 は 3 から 4 程度になる。ただし、生菌数は 6 時間ごろで定常期に入っていそうに見えるが、OD ではそれを検出出来ていないようにも見え、少し気になるデータである。

大腸菌培養に関するメモ

References

  1. Optical density, WANI dictionary. Link: Last access 2024/11/01.
  2. ThermoScientific テクニカルノート 52236. 紫外可視分光光度計を用いた細菌の光学密度測定における分光器光学系による違い. Pdf: Last access 2024/11/15.

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このページの目次

1. 概要