油滴について

UBC/cell/adipocyte/lipid_droplet

このページの最終更新日: 2021/07/10

  1. 概要: 油滴とは
  2. 油滴の構造
  3. 油滴の大きさ
  4. TAG 型油滴と CE 型油滴

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概要: 油滴とは

細胞内に大きな 油滴 lipid droplet をもつ細胞があり、そのような細胞を 脂肪細胞 adipocyte という。脂肪を蓄える役割のほか、様々なホルモンを分泌し、代謝をコントロールする機能もある。また、脂肪細胞を多く含む結合組織を 脂肪組織 adipose tissue という。

このページは、細胞内の構造としての油滴についてまとめる。脂肪細胞、脂肪組織についての詳細は、リンク先のページを参照のこと。

油滴 lipid droplet は脂肪細胞を特徴づけるオルガネラであるが、小さい油滴は他の細胞にも存在し、また脂肪細胞の種類によっても油滴の大きさは異なる。白色脂肪細胞は単一の大きな油滴をもつが、ベージュおよび褐色脂肪細胞の油滴は小さい。


白色脂肪細胞

脂肪を保存するのが主な役割で、細胞質の大部分を油滴が占める。

ベージュ脂肪細胞

新しく発見されたタイプ。白色と褐色の中間。

褐色脂肪細胞

ミトコンドリアが多いため褐色を呈する。脂肪の保存ではなく、脂肪を燃焼させることで体温を維持するのが主な役割。

油滴の構造

油滴は トリアシルグリセロール (TAG) やコレステリルエステル (CE) を中心部にもち (疎水性コア)、表面は リン脂質の一重膜 とタンパク質に覆われている。

以下のような理由から、油滴は小胞体 endoplasmic reticulum, ER によって作られると考えられている。作られた油滴は、脂肪酸を代謝できるミトコンドリア や ペルオキシソーム の近くに局在する。

  • 酵母では、小胞体膜と油滴の膜は繋がっていることが膜タンパク質の組成から示唆されている (1)。
  • 動物細胞では、油滴が大きくなると小胞体から出芽する。両者のタンパク質組成は異なっている (1)。
  • 脂質合成 lipogenesis の最終段階を触媒する酵素は ER に局在する (1)。

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油滴の大きさ

油滴 lipid droplet の大きさは、当然のことながら細胞の状態によって異なる。以下のような観察結果を総合すると、生細胞での LD の大きさの 最小値 は光学顕微鏡の解像度限界以下であると予想される (2)。In vitro の油滴形成モデルからの知見も生かされている。


> Oleic acid loaded rat 3Y1 fibroblast を染色すると、直径約 1 µm (2)。

  • 200 - 300 nm ぐらいのものが最小サイズ。

電顕では、直径 50 nm の油滴が観察されている (2)。1H-NMRで 直径 25 nm のものがあることが示されているが、これには議論がある (2)。

> In vitro model, atomic force microscopy: 平均して直径 50 nm, 高さ 15 nm の wax ester globules (2)。

容積に関する報告もある。Epididymal adipose tissue of ApoE KO mice and LpLKO mice. 2500 - 3000 µm2 (4).

> カイコ pheromone gland で、羽化前後の LD size を測定した論文 (3)。

  • 羽化前には 2 - 7 µm の小さい油滴が少しある。羽化に向けて大きく (5 - 12 µm) なる。
  • 直径は 12 - 14 µm の油滴が extra large LD と表現されている。

TAG 型油滴と CE 型油滴

油滴には、トリアシルグリセロールおよびコレステリルエステルを中心とする 2 種類がある (6R)。それぞれに対応した ペリリピン が存在する。

下の図は、Hsieh et al. (2012; ref 6) の図で、蛍光標識した 脂肪酸 または コレステロール を培地に加え、細胞に取り込ませたものである。

脂肪酸 (赤) およびコテステロール (緑) が異なる場所に局在していることがわかる。さらに、これらはリソソーム、ミトコンドリアおよび early endsome のマーカーとも重ならないので、これらのオルガネラではなく、おそらく油滴として存在していることもわかる。


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References

  1. Brasaemle & Wolins 2012a (Review). Packaging of fat: an evolving model of lipid droplet assembly and expansion. J Biol Chem 287, 2273-2279.
  2. Fujimoto et al. 2008a (Review). Lipid droplets: a classic organelle with new outfits. Histochem Cell Biol 130, 263-279.
  3. Fonagy et al. 2001a. Physiological status and change of cytoplasmic lipid droplets in the pheromone-producing cells of the silkmoth, Bombyx mori (Lepidoptera, Bombycidae). Arthropod Struct Dev 30, 113-123.
  4. Takahashi et al. 2013a. Macrophage lipoprotein lipase modulates the development of atherosclerosis but not adiposity. J Lipid Res 54, 1124-1134.
  5. ページ編集のため削除
  6. Hsieh et al. 2012a. Perilipin family members preferentially sequester to either triacylglycerol-specific or cholesteryl-esterspecific intracellular lipid storage droplets. J Cell Sci 125, 4067-4076.
  7. ページ編集のため削除

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