ジアシルグリセロール: シグナル伝達に使われる脂質
aa_carbo_lipid/lipid/dag
4-21-2017 updated
- 概要: DAG とは
広告
概要: ジアシルグリセロールとは
ジアシルグリセロール diacylglycerol (DAG) は、グリセロールに脂肪酸 fatty acid が 2 つエステル結合した物質である (図, ref 2)。
脂肪酸が 3 つエステル結合したトリアシルグリセロール TAG は、いわゆる「中性脂肪」であり、多くの動物で余剰のエネルギーを蓄えるために使われる物質である。TAG から脂肪酸が一つ切り取られると DAG が生じる。
また、生体膜 biological membrane を構成するリン脂質も、類似した構造をもっている。ここから脂肪酸が一つ切り取られても DAG が生じる。
以上の構造的特徴から、DAG はエネルギー貯蔵やシグナル伝達 (細胞膜周辺で生じるセカンドメッセンジャーとしての役割) に使われる分子である。
シグナル伝達物質としての DAG
DAG は G タンパク質 シグナリングのセカンドメッセンジャーとして働く。
DAG および IP3 を生じ、これが細胞内カルシウム濃度を増大させる。プロテキンキナーゼ A が活性化し、
貯蔵脂質としての DAG
DAG には、貯蔵資質としての役割もあると考えられている。例えば、昆虫や環形動物などでは脂質の輸送が TAG でなく DAG の形で行われると考えられている。
- 体腔液中には TAG が少なく、DAG, MAG に富む。
- 昆虫は脂質の輸送を DAG で行うが、環形動物でもおそらく同じと考えられた。
- Brain hormone がないと (脳を切除している?)、卵細胞への脂質の輸送が止まる。
- Coelomocyte, oocyteでは TAG が多い。輸送は DAG だが、蓄積は TAG で行われるのかもしれない。
コメント欄
サーバー移転のため、コメント欄は一時閉鎖中です。サイドバーから「管理人への質問」へどうぞ。
References
Fontaine et al. 1984a. Distribution of neutral lipids in coelomic constituents during oogenesis of Perinereis cultrifera (Annelida polychaeta). Comp Biochem Physiol 77A, 45-50.- By Mzaki - Own work, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=40230606