カロテノイドの概要
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カロテノイドに関する上位のページです
葉緑体の概要 のページに、明反応・暗反応などの光合成に関する一般的な記述があります。
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概要: カロテノイドとは
カロテノイド carotenoid は天然に存在する色素で、化学式 C40H56 の基本構造をもつ化合物の総称である。炭素と水素のみでできているものを
2004 年の時点で、少なくとも 750 種類以上のカロテノイドが知られている (4)。図 (Public domain) は、代表的なカロテノイドであるβカロテンの構造式。
長く伸びた共役二重結合の部分が、長さに応じて特定の波長の光を吸収する。これによって、赤橙色を示す。
カロテノイドには、以下のような重要な特徴がある。
このサイトには、以下のようなカロテノイドのページがある (建設中のページを含む)。
カロテノイド研究の歴史
主に文献 4 より。
- 1830 年代、ニンジンからカロテンが、紅葉した葉からキサントフィルが抽出される。
- 1930 年代、Karrer, Khun らによる構造決定。βカロテンがビタミン A に変換されることが明らかに。彼らは 1937 年および 1938 年にそれぞれノーベル化学賞を受賞。
- 20 世紀初頭、ロシアの Zwet がカロテノイドとクロロフィルを分離。これがクロマトグラフィーの発明。
- 1930 年代後半には、ルテイン、アスタキサンチンなどキサントフィルの構造が決定。
カロテノイドと光合成
光合成 photosynthesis における主要な光受容物質であるクロロフィルa chlorophyll a は、図 (2) のように 450 nm および 700 nm 前後に吸収極大をもつ。
そのため、これだけでは波長 450 nm および 700 nm 以外の光を光合成に使えない。これを補うのが、異なる吸収パターンをもつ chlorophyll b である。
この 2 つのクロロフィルを多く含む植物は、緑の波長帯以外の光を効率よく吸収することから、緑に見えるわけである。
カロテノイドの吸収極大は 400 - 500 nm であり、クロロフィルの吸収領域と重なる (1)。
カロテノイドが有効に働くのは、
なぜクロロフィルが分解されるのに、カロテノイドが分解されないかが疑問だったが、このページ に理由が書かれていた。どちらも原因は 活性酸素 であり、カロテノイドはそれ自身が抗酸化活性をもつので分解されにくいと書かれている。
カロテノイドによる吸収は、生体防御にも有効である (1)。秋季にクロロフィルが分解したのち、強い日光は植物にとってむしろ害となる。カロテノイドを含まない植物 (紅葉しないもの) は、このためにクロロフィル分解後すぐに落葉する。
Chlorophyll a, b, carotenoid は、光合成の reaction centor 付近で大きな
カロテノイドと水産養殖業
タイなどを養殖するとメラニンが蓄積して黒っぽくなり、市場価値が低下する。餌にカロテノイドを添加して、これを部分的に防ぐことができる。カロテノイド市場は成長しており、2020 年前後で年間 5% 以上の成長率を達成している (3)。
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References
- Amazon link: ストライヤー生化学: 使っているのは英語の 6 版ですが、日本語の 7 版を紹介しています。参考書のページ にレビューがあります。
- By Chlorophyll_ab_spectra2.PNG: Aushulzderivative work: M0tty - This file was derived from Chlorophyll ab spectra2.PNG: , CC BY-SA 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=20509583
- The Global Market for Carotenoids. Market research reports from BCC.Link: Last access 2020/11/01.
Maoka, 2012a. . 天然カロテノイドの分析と構造研究. オレオサイエンス 12, 485-494.
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