ミオグロビン: 筋肉の酸素貯蔵分子

protein_gene/m/myoglobin
5-22-2017 updated

  1. 概要: ミオグロビンとは
  2. ミオグロビンの構造
  3. ミオグロビンと酸素の結合

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概要: ミオグロビンとは

ミオグロビン myoglobin は筋肉中に存在し,酸素を貯蔵するタンパク質である。

Sperm whale myoglobin は,1950 年代に最初に結晶構造解析がなされたタンパク質である (1)。


ミオグロビンの構造

ミオグロビンの構造で重要なのは,酸素と結合するヘム heme の部分 (図, 2) の部分である。なお,英語では「ヘム」ではなく「ヒーム」[hiːm] と発音する。


ヘムの重要な性質は以下の通り。

  • 中央の鉄 iron 原子で酸素と結合する。
  • 血液 blood や筋肉 muscle に特有の赤色の原因。

鉄以外の部分を プロトポルフィリン protoporphyrin という。


ミオグロビンと酸素の結合

ヘムに含まれる鉄原子は 6 つの結合サイトをもつ (1)。うち 4 つは上の図に見るように窒素原子との結合に使われており,さらに 1 つはミオグロビンに含まれるヒスチジン histidine 残基のイミダゾール基との結合に使われている (参考: 官能基の一覧)。このヒスチジンは proximal histidine と呼ばれる。

残った 1 個の結合サイトには,酸素が結合することができる。酸素と結合していない状態は deoxymyoglobin, 結合した状態は oxymyoglobin と呼ばれる。


鉄原子の価数とメトミオグロビン

鉄原子 iron は,リンク先に詳細があるように 2 価の Fe2+ と 3 価の Fe3+ の陽イオンになることができる。通常は Fe2+ の状態であり,最外殻電子数は 0 である。ここに 2 個の最外殻電子をもつ酸素が 配位結合 する。

このまま酸素が解離すれば問題ないのだが,解離の際に 電子を一つ引き抜いてしまうことがある。その結果,ヘム鉄は Fe3+ となって酸素と結合する能力を失い,酸素 O2活性酸素 スーパーオキシド O2- になってしまう。この変化は生体にとって非常に都合が悪いので,ミオグロビンには distal histidine というもう一つのヒスチジン残基が酸素と水素結合 hydrogen bond を形成し,酸素との結合を安定化させている。


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References

  1. Amazon link: ストライヤー生化学: 使っているのは英語の 6 版ですが、日本語の 7 版を紹介しています。参考書のページ にレビューがあります。
  2. By Yikrazuul - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=11081791

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