核酸染色試薬 アクリジンオレンジ:
構造、プロトコールなど

UBC/reagents/a/acridine_orange

このページの最終更新日: 2024/12/15

  1. 概要: アクリジンオレンジとは
  2. アクリジンオレンジによる核酸の染色
  3. アクリジンオレンジによるリソソームの染色とオートファジー検出

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概要: アクリジンオレンジとは

アクリジンオレンジ acridine orange は、以下のような構造をもつ色素である (Public domain)。複数の性質があるので、組織染色、フローサイトメトリーなど多くの実験で使われている (1)。

使用条件は 5 mg/mL、30 分とか。

アクリジンオレンジの構造

アクリジンオレンジによる核酸の染色

アクリジンオレンジは、核酸 nucleic acid に結合する。結合する分子によって蛍光波長が異なる ので、細胞周期の観察に使われる。mRNA damage の測定に使われている例もあるようだ (3)。

Ar レーザーで励起すると、DNA と RNA の同時観察が可能である。

結合分子 励起波長 蛍光波長 使用例など
二本鎖 DNA 502 nm (青緑) 526 nm (緑)
一本鎖 DNA 460 nm (青) 650 nm (赤)
RNA 460 nm (青) 650 nm (赤)

アクリジンオレンジによるリソソームの染色とオートファジー検出

アクリジンオレンジは、リソソームなどの酸性部位 acidic compartment に入り込む性質がある。そのため、low pH vesicle (基本的にはリソソームのこと) の検出にも使われる。

この場合、一本鎖 DNA に結合したときと同様に、青色で励起され、赤色の蛍光を発する。

したがって、アクリジンオレンジ染色した組織を青色で励起すると、二本鎖 DNA 結合による green と、リソソーム結合による red が同時に観察される。つまり green/red の比をとればリソソームが増えているかどうかがわかり、これは オートファジー autophagy を検出する一般的な方法の一つである。


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References

  1. 同仁堂ウェブサイト. Link: Last access 6-17-2017.
  2. Darzynkiewicz 1990a. Differential staining of DNA and RNA in intact cells and isolated cell nuclei with acridine-orange. Methods Cell Biol 33, 285–298.
  3. Mosadegh et al. 2017a. Nicotine-induced damages in testicular tissue of rats; evidences for bcl-2, p53 and caspase-3 expression. Iran J Basic Med Sci 20, 199-208.

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