TNF-α: マクロファージなどで作られる炎症性サイトカイン
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このページの最終更新日: 2024/02/14広告
概要: TNF-α とは
TNF-α は細菌感染動物の血中より発見された腫瘍壊死惹起物質で、主に M1-マクロファージから分泌されるが、脂肪細胞など他の多くの組織でも作られる (4)。
17 kDa。通常三量体を形成。レセプターは 2 種類存在し、これも 3 量体を形成。
TNF receptor に結合し、death domain をもつタンパク質を介したシグナル伝達を行う。下流の分子経路は多岐にわたる。生命現象としては、炎症、アポトーシス、腫瘍細胞の壊死、悪液質 cachexia などと関係する (4)。下流で働く分子にはアポトーシス経路、MAKP family、IKK、NF-kB などがある。
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TNF-α と肥満・メタボリックシンドローム
TNF-α は、肥満 obesity 時の脂肪細胞からも分泌され、インスリン抵抗性を引き起こす原因物質であると考えられている。この作用に着目して、しばしば炎症性サイトカインであるインターロイキン 6 (IL-6) と並列に語られる。
TNF-α の脂肪細胞への作用
> TNF-α がインスリン抵抗性を引き起こすことは一致した見解となっている。
- Insulin-dependent な PI3K 活性化や GLUT4 の膜移行が阻害される。
- これは 活性酸素 を捕捉することで抑制されるので、酸化ストレスを介した作用である。
- 肥満動物モデルでインスリン抵抗性を呈する脂肪組織、骨格筋、心臓で発現が増大。抗体で TNF-α の作用を中和すると、インスリン感受性が上昇する。
> 脂肪組織での adiponectin の発現を増やす作用がある (2D)。
- 脂質の蓄積を抑制する方向に作用するが、adiponectin を通した間接作用の可能性もある。
- 脂質の取り込み、合成に関わる分子の発現を下げる; LPL, FAT, FATP, FAS, ACC, GPDH など。
- 脂質分解 lipolysis を促進する。魚類の脂肪細胞にヒト・リコンビナント TNFα をかけると lipolysis が起こる (1R)。
TNF-α の筋細胞への作用
筋細胞では、インスリンシグナルを抑制するもしくは影響しないという両方の報告があり、一致した見解はない。
無脊椎動物で最初の TNF superfamily member である Eiger は、Drosophilaから発見された (3)。JNK pathway の上流にあり、アポトーシスを誘導する。中枢神経系で主に発現している。
TNF-α の軟骨細胞への作用
0.3 pM の濃度で、コラーゲン 合成を 50% 弱阻害するという論文 (5)。
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References
Cruz-Garcia 2009a. J Exp Biol 212, 2254-2260Sanchez-Gurmaches et al. 20012. Adiponectin effects and gene expression in rainbow trout: an in vivo and in vitro approach. J Exp Biol 215, 1373-1383.Igaki et al. 2002a. Eiger, a TNF superfamily ligand that triggers the Drosophila JNK pathway. EMBO J 21, 3009-3018.Ruiz-Ojeda et al. 2002a. Chapter 1 - Oxidative Stress and Inflammation in Obesity and Metabolic Syndrome. Obesity, doi.Reginato et al., 1993a. Transcriptional modulation of cartilage-specific collagen gene expression by interferon γ and tumour necrosis factor α in cultured human chondrocytes. Biochem J 294, 761-769.
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