タイプIII分泌装置 T3SS を用いたグラム陰性細菌の感染様式

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このページの最終更新日: 2020/06/11

  1. グラム陰性細菌とは
  2. タイプⅢ分泌装置(T3SS)とは
  3. T3SSを用いたグラム陰性細菌の感染様式

このページは keito0628 様に執筆頂いた依頼記事です。


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グラム陰性細菌とは

グラム陰性細菌とはグラム染色においてクリスタルバイオレットによる染色が脱色される細菌の総称のこと。

グラム染色試験により、対比染色としてサフラニンがクリスタルバイオレットの後に加えられ、グラム陰性菌は赤や桃色に染色される。 グラム染色法でのグラム陽性細菌との差は、ペプチドグリカン層が薄くクリスタルバイオレットが脱色されやすく、大半は外膜を持つDD細菌(二重膜細菌)である。


Ref. 1

グラム陰性菌の特徴や代表種は下記のとおり。

グラム陰性細菌の特徴

  • 細胞質性膜
  • 薄いペプチドグリカン層
  • ペプチドグリカン層の外側の外膜はリポ多糖類(リピドA、グラム陽性細菌にはない)、多糖類(O抗原構成される)により覆われている
  • 特定の分子のための微再孔のように働くポリンが外膜に存在。
  • ペプチドグリカン層と二番目の細胞膜の間にぺリプラスム領域と呼ばれる領域が存在
  • S層はペプチドグリカンよりも外膜に直接接触

グラム陰性細菌の代表種

  • 大腸菌(Escherichia coli)
  • サルモネラ
  • 腸内細菌科
  • シュードモナス
  • モラクセラ
  • ヘリコバクター
  • ステノトロフォモナ
  • ブデロビブリオ
  • 酢酸菌
  • レジオネラ
  • 赤痢菌

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タイプⅢ分泌装置(T3SS)とは

タイプⅢ分泌装置(T3SS)とは、菌体外へタンパク質を分泌させるためにある細菌が持つ注射器のような分泌装置のこと。

細菌の運動に用いる鞭毛と配列類似性が高いため鞭毛が変化してⅢ型分泌装置になったと考えられている。Ⅲ型分泌装置はエフェクターと呼ばれる毒性タンパク質を細胞に打ち込むことで宿主細胞への侵入やマクロファージでの生存などを可能にし、細菌が病原性を発揮する上で大きな役割がある。



Ref. 2

T3SSは、細菌の外膜や内膜に局在し、リング状の構造をした基部と針状の菌体外に突き出たニードルと呼ばれる部位に分けられる。このニードルが細胞に接触し、エフェクターが細かいニードルの中を通って輸送される。ニードルの中の通り道は細く狭いので基部側にはシャペロンが存在しており、タンパク質をほどいた状態でニードルの中を通すと考えられている。

サルモネラ、ペスト菌、赤痢菌、腸管出血性大腸菌、腸管病原性大腸菌、緑膿菌、腸炎ビブリオなどの菌にT3SSが備わっている。


T3SSを用いたグラム陰性細菌の感染様式

エルシニア、大腸菌、サルモネラ菌、赤痢菌などのグラム陰性菌は、T3SSを利用して宿主感染に対する自然免疫応答を弱める。これらの細菌は10~50個のエフェクターを分泌し、宿主の防御経路を乗っ取るが、それらの多くは機能が知られていない。

通常、宿主細胞はUbを使用して、NF-κBを介して自然免疫応答を活性化し、オートファジーによる破壊のために細胞質内細菌をマークする手段として使用する。グラム陰性細菌は、T3SSによるエフェクターを宿主細胞への注入によってUPSを宿主に向けるなどし、自身が感染しやすい環境を形成する。

例えば、病原性サルモネラ菌はエフェクターSseLとSopBを分泌し、これらは異なるメカニズムによってUSPを破壊します。SseLは、脱ユビキチン化酵素として作用する能力を介して、Ubを介したオートファジーを減衰させる。一方、ホスホイノシチドホスファターゼであるSopBは、独自のユビキチン化を利用して、細胞機構を調節します。

赤痢菌などのその他のグラム陰性細菌に見られる保存されたエフェクターグループの中ではIpaHと呼ばれるタンパク質は宿主細胞で機能する新しいE3酵素を使用される。



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References

  1. By Jeff Dahl - Own work, CC BY-SA 4.0, Link
  2. Takuma-sa - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, リンクによる

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