PGC-1α: ミトコンドリアを制御する転写コアクチベーター
UBC/protein_gene/p/pgc1a
このページの最終更新日: 2024/12/01広告
概要: PGC-1α とは
Peroxisome proliferator-activated receptor γ coactivator-1α (PGC-1α) は、栄養状態に応答した代謝調節に重要な転写制御因子である (1I)。PGC-1α, PGC1α という表記がよく使われるが、マウスの gene symbol は Ppargc1a である。
ミトコンドリア の 呼吸鎖 に関わる遺伝子の転写を調節する機能が有名である。しかし、PGC-1α のノックアウトマウスは、飢餓応答で違いは出るものの、この機能から想定されるほどには大きな表現系の変化を示さない (1I)。
PGC-1α のメチル化
親の状態によって、子供のミトコンドリア活性が生まれた時点で異なる現象が報告されている。
- 親が過栄養または貧栄養のときに子供が 肥満 になりやすい傾向を示すこと
- 親の年齢が高いときに子供の遺伝子異常が起こりやすいこと (ATP 不足が原因の一つと考えられている)
が有名である (参考: 親の影響のページ)。PGC-1α のメチル化は、肥満の場合には研究例が多いが、親の年齢と関連づけた研究は少ない。
>PPARg, PGC1a, Tfam, FTO のメチル化と maternal BMI の相関を調べた論文 (2)。
- いくつかの CpG sites についてで、調べた対象はあまり多くない。
- PGC1a promoter のメチル化は、maternal BMI と相関していた。
- Metabolic reprogramming には、PGC-1a のプロモーターが最も効いていそうという結論。
- PGC-1a のメチル化については、すでに糖尿病との相関が報告されている。
- CpG dinucleotides のメチル化は、プロモーター活性を減らす。
>PGC1a のメチル化と maternal gestational glucose level が相関する (3)。
References
Selesniemi et al. 2011a. Prevention of maternal aging-associated oocyte aneuploidy and meiotic spindle defects in mice by dietary and genetic strategies. PNAS 108, 12319-12324.Selesniemi et al. 2011a. Maternal pregestational BMI is associated with methylation of the PPARGC1A promoter in newborns. Obesity 17, 1032-1039.Xie et al. 2015a. Placental DNA mehylation of peroxisome-proliferator-activated receptor-γ co-activator-1α promoter is associated with maternal gestational glucose level. Clin Sci 129, 385-394.
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