動物とは: 定義、特徴、分類など

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このページの最終更新日: 2019/11/08

  1. 概要: 動物とは
  2. 動物の分類
  3. 動物の構造
    • 放射相称と左右相称
    • 内胚葉、中胚葉、外胚葉
    • 体腔、偽体腔
    • 前口動物、後口動物

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動物とは

動物 animal は、次のような特徴をもつ生物の一群である (1)。

  • 真核、多細胞
  • 細胞壁をもたない
  • 他の生物を食べてエネルギーを得る (autotroph, 光合成をしない)

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動物の進化と分類

ほとんどの動物の祖先は、542–488 million years ago (mya) の カンブリア爆発 で生じたと考えられている (5)。

以下のような形質が、動物の進化のキーポイント (系統樹の branching points) として挙げられている (1)。

  1. 組織の獲得
  2. 放射相称および左右相称の体制の獲得
  3. 前口動物と後口動物の分岐

動物のおおまかな系統樹として、とりあえず Senatore et al. 2016 のものを載せておく。基本的な門の系統関係は反映しているものの、神経系の発生に注目した系統樹であるので、他に良いものが見つかったら差し替える。


以下、門レベルの分類を示す。「放射相称」などの用語については、次の「動物の体の構造」の項目で解説する。大学の学部生向けの教科書に載っているような馴染みの深い門に限っている。

カイメン動物門
Porifera

最も原始的な多細胞動物で、700–800 million years の歴史をもつと考えられている (4)。

腔腸動物門
Cnidarian
[naideəriən]

発音注意。クラゲ、サンゴなど。幼生、成体ともに放射相称の体をもつ。およそ 1 万種が知られている (1)。

刺胞細胞 cnidocyte をもつのが特徴で、刺胞動物門とも呼ばれる。生物種によってはこの毒は強力で、人が刺されて死ぬこともある。

有櫛動物門
Ctenophora

クシクラゲと呼ばれる仲間。腔腸動物のクラゲに似ているが、繊毛を使って泳ぎ、光を反射すると虹色になる (写真、文献 2)。およそ 150 種 (1)。

海綿動物よりも進化的に古いという論文もあり (3)、系統に関しては不明な点が多い。

扁形動物門
Platyhelminthes

プラナリア (写真、文献 6) が有名。左右相称で扁平な体をもつ。

環形動物門
Annelida

ミミズ、ゴカイ、ヒルなど (写真、文献 7)。体節に区切られた体、真体腔、閉鎖血管系を特徴とする分類群。

節足動物門
Arthropoda

80 万種以上が知られている最大の動物門。明瞭な体節、関節のある付属肢および外骨格が特徴。昆虫、エビ、カニ、クモ、サソリなど。

いずれ別のページに移すが、節足動物の体の構造に関する用語をここにメモしておく。


  • Spiracles 気門、trachea 気管。昆虫などに存在する呼吸器官。気管が外部へ開いている孔のことを気門という。
  • Integumentary system 外皮系
  • Cephalon, thorax 胸郭, pygidium. 昆虫や甲殻類などの体の作りを示す用語。図 (4) を参照のこと。
  • abdomen 腹部。
  • Malpighian tubule マルピーギ管。消化管から伸びる浸透圧調節および排出のための菅。

軟体動物門
Mollusca

小さい真体腔、柔らかく体節に分かれていない体を特徴とする分類群 (5)。二枚貝 bivalves、腹足類 gastropods、頭足類 cephalopods に分かれる。

二枚貝綱 Class Bivalvia、カキ目 Order Ostreoida、Pacific oyster Crassostrea gigas: マガキ。

棘皮動物門
Echinodermata
[ikainədəːrmɑːtə]

ヒトデ、ウニ、ナマコなどが含まれる動物門。Endoskeleton をもち、水管系によって制御された管足で動く。生体は放射相称だが、幼生は左右相称の体をもつ。

この門に含まれる生物は echinoderms [ikainədəːrm] と呼ばれる。

脊索動物門
Chordata

以下の 4 つの構造で定義される動物門 (5)。脊椎動物 vertebrates とは異なることに注意。

  • Notochord が存在する。
  • Notochord に沿って nerve cord が存在。
  • 喉に沿って gill slit が開く。
  • 筋肉をもつ尾が存在。


動物の構造

門レベルでの動物の分類に重要となる、おおまかな体の構造についてまとめる。


放射相称と左右相称

クラゲやヒトデのように、中心点に対して対称な体の作りを 放射相称 radial symmetry という (1)。

これに対し、ヒトのように中心線に対して左右対称な体の作りを 左右相称 bilateral symmetry という (1)。

見た目の問題なのでわかりやすい区別だが、一つだけ注意する必要がある。それは、棘皮動物 (ヒトデ、ナマコなど) の放射相称は成長後に獲得したもので、クラゲやイソギンチャクの放射相称とは異なるという点である。

実際、ヒトデやナマコの幼生は左右相称の体をもつ。


内胚葉、中胚葉、外胚葉

内胚葉、中胚葉、外胚葉は発生段階での区分を示す言葉だが、中胚葉が左右相称動物にのみ存在することは重要である。幼生の体制のほか、これも棘皮動物の放射相称をクラゲなどのそれと区別する重要なポイントである。


内胚葉
Endoderm
[endədəːrm]

胚における内側の層で、消化管、肝臓、肺などに分化する。

外胚葉
Ectoderm
[ektədəːrm]

胚における外側の層で、皮膚、神経系などに分化する。

中胚葉
Mesoderm
[mesədəːrm]
[mezədəːrm]

内胚葉と外胚葉の間にあり、筋肉、骨、腎臓、血液、生殖腺、結合組織などに分化する。

左右相称動物にのみ存在する。つまりカイメン、クラゲなどには存在しない。


体腔、偽体腔

ほとんどの動物は、内胚葉に由来する消化管と、外胚葉に由来する体壁の間に、体腔 (たいこう) という空間がある (5)。ここに内臓が収められている。英語では coelom [síːləm] という。

体腔が完全に中胚葉に由来する場合、それを体腔 coelom という。体腔が完全に中胚葉に由来しない場合、それを偽体腔 pseudocoel という。


前口動物、後口動物

英語版 Wikipedia のこの図がわかりやすい (8) 。


発生の過程で、卵の一部がへこんで原腸と原口が形成されるイベント gastrulation が起こる。日本語では原腸形成または原腸陥入という。

この原口が口になる動物が前口動物 protosomes であり、肛門になる動物が後口動物である。


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References

  1. Amazon link: Audesirk et al. 2013a. Biology: Life on Earth.
  2. By NOAA Photo Gallery > NURP Album > Image ID: nur01004, (Voyage To Inner Space - Exploring the Seas With NOAA Collect), パブリック・ドメイン, Link
  3. Genome reveals comb jellies' ancient origin. Nature News, 08 January 2013.
  4. By Sam Gon III - http://www.trilobites.info, Attribution, Link
  5. Amazon link: Starr et al. 2016a. Biology Today & Tomorrow.
  6. By Holger Brandl, HongKee Moon, Miquel Vila-Farré, Shang-Yun Liu, Ian Henry, and Jochen C. Rink - PlanMine - a mineable resource of planarian biology and biodiversity. Nucleic Acids Res. 2016 Jan 4; 44(Database issue): D764–D773., CC BY 4.0, Link
  7. By Unknown - http://www.photolib.noaa.gov/htmls/nerr0328.htm, Public Domain, Link
  8. By WYassineMrabetTalkThis W3C-unspecified vector image was created with Inkscape. - Own work, CC BY-SA 3.0, Link

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