免疫染色: 原理、プロトコール、注意点など

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このページの最終更新日: 2021/07/08

  1. 概要: 免疫染色とは
  2. 免疫染色プロトコール
    • 組織の固定
    • 内在性ペルオキシダーゼ活性の除去

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概要: 免疫染色とは

抗体 antibody を用いて、目的とする タンパク質 を組織内 (組織切片またはホールマウント) で染色する方法を 免疫染色 immunostaining という。

写真 (Public domain) は、分裂細胞の蛍光免疫染色である。青色は DNA、赤と緑で異なるタンパク質を染色している。


関連実験

同じく抗原・抗体反応を利用したタンパク質の検出・定量に Western blot がある。また、組織切片またはホールマウントで対象とする mRNA を検出するのが in situ ハイブリダイゼーション である。

免疫染色プロトコール

免疫染色を行う場合、まず以下のような点を検討する必要がある。

組織の形態、固定

ホールマウントか切片か、切片なら凍結か、パラフィンか。

抗体の選定

反応性、特異性。ポリクローナル抗体か、モノクローナル抗体か。

検出方法

蛍光検出か、DAB などによる染色か。


組織の固定

留意すべきことは以下の 3 点である。

  1. 目的タンパク質の抗原性の保持 (抗体に結合できる状態が保たれているかどうか)
  2. 目的タンパク質の発現部位の保持 (他の場所に移動していないかどうか)
  3. 組織の形態の保持

組織の固定法によって、以下のような違いがみられる (1)。

  1. 未固定凍結: 抗原性がよく保持されるが、形態の保持が悪い。
  2. 固定凍結: 抗原性、形態ともによく保持される。
  3. パラフィン: 形態保持に優れるが、抗原性の保持が悪い。パラフィン切片に使用可能な抗体を選んで使う。標本は常温で保存が可能である。

アルデヒド系で固定すると、低分子の不溶化や形態保持に優れるが、タンパク質やペプチドの抗原性保持に難点がある。パラホルムアルデヒド paraformaldehyde がよく使われる。

有機溶剤は脱水作用があり、これで固定すると組織が収縮してしまう可能性がある。高分子の抗原保持に優れる。


内在性ペルオキシダーゼ活性の除去

免疫染色の検出法の一つに、二次抗体にリンクしたペルオキシダーゼを使って、色素を生じる化学反応を起こす方法がある。つまり、以下の図で「酵素」がペルオキシダーゼになっているということ。


この場合、組織にペルオキシダーゼ活性が残存しているとバックグラウンドシグナルが高くなるので、これを除去する必要がある。プロトコールは、例えば以下の通り。


参考: 蛍光二次抗体を使った検出


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References

  1. 蓮井 2012a. 免疫組織化学の基礎と応用. V. 組織・細胞の固定. 鹿児島大学レポジトリ. Link.
  2. By David Munch, CC BY-SA 3.0, Link

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