質量分析 Mass Spectrometry: 原理、種類など

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このページの最終更新日: 2019/11/08

  1. 概要: 質量分析とは
  2. タンデム MS (MS-MS) とは
  3. イメージング MS

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概要: 質量分析とは

質量分析 mass spectrometry とは、分子の質量を測定する分析法である。MS と略され、日本語では「マス」だが、英語では「エムエス」と発音することが多いようである。

参考書などにおける MS の定義は以下の通り。

  • A technique used to determine relative atomic masses and the relative abundance of isotopes and for chemical analysis, as in the identification of metabolites, drugs, and other molecules isolated from biological samples (Oxford Dictionary of Biology; Amazon)..

分子のイオン化

MS では、測定にあたり分子をイオン化する必要がある (1)。すなわち、電場 electric field 中に置かれたイオンは、電場から F = ma (m は質量、a は加速度) の力を受ける。F は 電荷の関数となる。質量分析では、加速度 a を測定することで質量 m を決定する。

タンパク質 protein やペプチドの質量を決定したい場合、これらをイオン化する必要がある。2 つの方法が主に使われている。

MALDI 法

Matrix-assisted lased desorption-ionization 法。特定の波長のレーザー光を吸収し、タンパク質をイオン化する マトリックス matrix を使う。

ESI 法

Electrospray ionization 法。荷電した溶媒中にタンパク質を溶かし spray する。溶媒は蒸発し、タンパク質に電荷が残る。

EI 法

Electron ionization 法。。


さらに、イオンの検出方法にも多くの種類がある。MALDI によるイオン化と TOF による検出を組み合わせた MALDI-TOF という言葉を聞いたことがある人も多いと思う。

TOF 法

Time of flight 法。イオンは検出器の方向に電場で加速される。軽いイオンほど早く加速され、検出器に早く到着する。この時間から質量を算出する。



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タンデム MS (MS-MS)

タンデム MS とは、2 つの MS が繋がった装置のこと (4)。1 つめの MS は、同定というよりは分離に使われる。

たとえば、ペプチドの混合物が試料の場合、最初の MS の電場の強さを調整することによって、1 個のペプチドが 2 番目の MS に飛び込むように設定する。2 番目の MS でペプチドの質量を決定する。つまり、タンデム MS によって混合液に含まれる全てのペプチドを網羅的に同定することができるわけである。


イメージング MS

イメージング MS (imaging MS) は、組織切片の上にマトリックスを塗布することで、分子の同定と局在解析を同時に行う手法である (2)。Stoeckli らによる 2001 年の報告が最初らしい。

夾雑物が入るため定量性には欠けるが、パルスレーザーは 10 - 20 µm の間隔で照射できるため、細胞 1 個に含まれる分子を検出することが可能である。


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  1. Amazon link: ストライヤー生化学: 使っているのは英語の 6 版ですが、日本語の 7 版を紹介しています。参考書のページ にレビューがあります。
  2. ケムステーション, Imaging MS. Link: Last access 2018/07/24.
  3. Stoeckli et al. 2001a. Nat Med, 7, 493-496.
  4. Amazon link: ハーパー生化学 30版.