質量分析のデータ解析:
m/z の意味、MASCOT の使い方など

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このページの最終更新日: 2024/11/10

  1. 質量分析データの概要
  2. TOF-MS のデータ解析: m/z とは

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質量分析データの概要

質量分析 mass spectrometry は、分子の質量を測定する分析法である。このページは、主に MS のデータ分析についてまとめる。MS に関する一般的な事項は、質量分析の概要 ページを参照のこと。

TOF-MS のデータ解析: m/z とは

MS のデータは、一般に図 (Public domain) のような形で与えられる。

質量分析のデータ, トルエン

横軸は m/z で、「エム・オーバー・ズィー」と読む。一般にはイタリックで表記するものとされているが、従っていない例も多く見るような気がする。

m は分子の質量を、z は電荷を示す。まず、わかりやすく z = 1 の場合を考えてみよう。z = 1 のとき、m はそのまま分子の質量となる。つまり、たとえば 分子量 50 の分子 MS 装置中で 1 価のイオンになっていて検出された場合、横軸 = 50 のところにピークが出るわけである。

ここで m/z が重要になるのは、イオンが 1 価とは限らない ためである。イオンが質量分析装置の中で分離されるとき、磁界または電界が使われるため、各イオンは m および z に応じた力を受ける。つまり、分子量 100 の分子が 2 価のイオンになっていた場合には 2 倍の力を受け、分子量 50 の分子と同様に振る舞うのである。

検出では、飛んできたイオンがシンプルに分類されるため、50 に出てきたシグナルが分子量 50 の 1 価イオンによるものなのか、分子量 100 の 2 価イオンによるものなのか区別することができない。

したがって、MS 結果の横軸を「分子量」というのは早計であって、これはあくまで m/z なのである。

一方、縦軸はシンプルで、イオンの相対強度を示す。つまりピークが高いほど、そのイオンが多いことを示している。

MASCOT とは

References

  1. Amazon link: ストライヤー生化学: 使っているのは英語の 6 版ですが、日本語の 7 版を紹介しています。参考書のページ にレビューがあります。

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