フーリエ変換と NMR
UBC/experiments/nmr/ft_nmr
このページの最終更新日: 2021/01/17- 概要: フーリエ変換とは
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概要: フーリエ変換とは
このページでは、核磁気共鳴におけるフーリエ変換 Fourier transformation について述べる。基本的な概念は NMR の概要 ページの用語集にも記載されており、このページは詳しい解説という位置付け。
NMR の生データは、試料中に含まれる対象原子核から得られる波の重ね合わせであり、図 1 のようなものである (3)。これを
- まずはじめに、
全ての波は 1 つ以上の正弦波の組み合わせに分解できる という原則を受け入れる。 - すると、FID も複数の正弦波に分解できることになる。
- 正弦波は y = A*sin (ωt-φ) で表され、A は振幅、ω は周波数、φ は初期位相である。NMR では初期位相 = 0 と考えられるので、一つの正弦波を振幅および周波数の 2 つのパラメーターで表すことが可能になる。
- したがって、縦軸を振幅、横軸を周波数とするグラフを作ると、一つの FID を完全に表現することができる (図 3)。
![]() 図 1. Free induction decay (FID) の模式図。 |
![]() 図 2. フーリエ変換。 |

図 3. フーリエ変換後の NMR データ。NMR による 乳酸 および アラニン の検出を示している。縦軸に振幅、横軸に周波数をとった NMR データ。乳酸とアラニンのピークが観察されている。
周波数は、通常 ppm を単位とした
フーリエ変換は、X 線構造解析におけるデータ解析でも重要な概念である。

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References
- By Lucas V. Barbosa - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=24830373
- フーリエ変換基礎講座. Link.
- By GyroMagician - Own work, CC BY-SA 3.0, Link