車のバッテリー: 構造、交換方法など

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このページの最終更新日: 2024/04/05

  1. 車のバッテリーは鉛蓄電池
  2. バッテリーの青い粉
  3. 車のバッテリーの交換方法

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ガソリン車のバッテリーは鉛蓄電池

ガソリン車のメインバッテリーは 鉛蓄電池 lead-acid battery である。この電池は、以下のような特徴をもっている (1)。

  • 短時間に大電流を放電することができる。エンジン始動時などに重要。
  • 材料が安価。
  • 性能が安定している。気温などに左右されにくい。
  • 取り扱い、メンテナンスが容易。
  • 衝突時の爆発・火災リスクが低い。
  • メモリ効果がない。

鉛蓄電池は、以下のような構造をしている。

陽極に酸化鉛 PbO2 を、陰極に鉛 Pb を準備し、両曲を電解液である硫酸 H2SO4 で接続すると、酸化還元反応 によって電流が流れる (画像は Public domain)。

鉛蓄電池の構造

放電が進むと、硫酸イオンが電極に取り込まれ、電解液は水に近づいていく。このため、電解液の比重が鉛蓄電池の性能を示す指標となる。

満充電時、比重 1.280 がバッテリーの性能を最も引き出せる (1)。

実際の写真も示しておく (Public domain)。

車のバッテリーの中身
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バッテリーの青い粉

車のバッテリーが古くなってくると、写真 (Public domain) のように端子に青い粉が溜まってくることがある。これは 硫酸銅 CuSO4 である。

緑青 (ろくしょう) とも呼ばれる。なお、緑青は銅のサビ全般を表す言葉なので、必ずしも硫酸銅とは限らない。

車のバッテリー

鉛蓄電池の端子は鉛であるが、車の端子は銅でできている。これと硫酸が反応して生じる。硫酸銅は白色であるが、水分を含むと青色になる。実際には、硫酸銅と水酸化銅 CuSO4 · 3 Cu(OH)2 らしい。

また、白い粉がついているときは、硫酸鉛であると考えられる。

車のバッテリーの交換方法

バッテリー交換の際に気をつけるのは、車体はマイナス であるということである。したがって、プラス端子と車体が接触するとショートする。このことから、手順は以下のようになる。

また、バッテリーのプラス・マイナス端子に同時に導電体のスパナなどで触れると、当然ながらショートする。

  1. エンジンを停止、ライトなども確実に消す。
  2. 絶縁できる手袋を着用。
  3. マイナス端子を取り外し、絶縁。
  4. プラス端子を取り外す。
  5. 固定金具を外して、新しいバッテリーをセットする。
  6. プラス → マイナスの順に端子を取り付ける。

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References

  1. 自動車唯一の電源、鉛バッテリーの仕組み. Link: Last access 2023/01/20.
  2. By Sakar.solanki - Own work, CC BY-SA 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=23692756

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