酸化・還元の基礎
other_topics/biochem_basic/oxidation
2018/03/11 更新
まだ編集中です。
- 概要: 酸化・還元の定義
- 酸素のやりとりから見た酸化・還元
- 電子のやりとりから見た酸化・還元
- 酸化数の変化から見た酸化・還元
- 酸化・還元反応の具体例
- 代謝における酸化・還元反応
- ラジカル反応
広告
概要: 酸化・還元の定義
このページの内容は、生化学の格言 の一つである「
酸素のやりとりから見た酸化・還元
まずは、最もわかりやすい酸化・還元反応から始めよう。高校レベルから大学初級まで使えるわかりやすい参考書、絵とき化学反応の見方・考え方 (Amazon) に基づいている。古い本ではあるが、今でも役に立つ。
酸素 oxygen が絡んでくる場合は、酸化・還元を直感的に理解しやすい。つまり
- ある物質が酸素を受け取ったら、酸化されたことになる。
- ある物質が酸素を手放したら、還元されたことになる。
銅の酸化という実例で考えてみる (2)。
この反応は、銅の粉を加熱すると黒色の酸化銅ができる実験として、直接観察することができる。
酸化銅に水素ガスを加えて加熱すると、金属銅に戻るのが観察できる。これは、
以上が酸素のやりとりから見た酸化・還元である。この例から、もう一つ重要な事項を確認しておこう。
上の例では、銅を中心として酸化・還元を考えた。銅の還元反応は、水素を中心とした視点で考えると、水素が酸素を受け取る「水素の酸化反応」としてみることができる。この例のように、
広告
電子のやりとりから見た酸化・還元
次に、酸化・還元の概念を拡張することを考える。このメリットは、
すなわち、酸素が関わらないだけで、同じメカニズム (電子の授受) で進行している反応がある。上の酸化・還元の定義では、このような反応は別の反応になってしまうが、定義を拡張することで「同じメカニズム」の反応を「同じ名前」で呼ぶことができるようになるわけである。
酸素原子および酸素分子は、以下のような電子配置をもっている。
酸素原子の最外殻電子数は 6 個であり、電子を 2 個受け取ると安定な形になる。故に 2 個の最外殻電子をもつ金属 (Cu など) と結合しやすい。
CuO では、銅は Cu2+ として 2 個の電子を失った (酸素に渡した) 状態、酸素は O2- として 2 個の電子を受けとった状態になっている。
この反応において、
- Cu は酸化された = Cu は電子を失った
- O は還元された = O は電子を受け取った
が成り立っている。
これを一般化すると、
さらに、次の例で酸素が反応に含まれない場合を考える。
酸素が電子を 2 個受け取りやすいのに対し、ヨウ素 I および塩素 Cl は、いずれも電子を 1 個受け取りやすい元素である。また、Na は電子を 1 個失いやすい。
この反応式では、
- Na は反応の前後で変化せず。Na+ の状態になっている。
- ヨウ素は I- から I に変化している。つまり電子を手放している。
酸化された ことになる。 - 塩素は Cl から Cl- に変化している。つまり電子を受け取っている。
還元された ことになる。
広告
コメント欄
サーバー移転のため、コメント欄は一時閉鎖中です。サイドバーから「管理人への質問」へどうぞ。
References
- Amazon link:
藤谷ほか、1989a. 絵とき化学反応の見方・考え方. オーム社.