アミノ酸の電離と pH

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このページの最終更新日: 2025/01/05

  1. アミノ酸の電離と pH

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アミノ酸の電離と pH

pKa は、アミノ酸の構造や機能に関わる非常に重要な概念である。これを理解すると、たとえば酵素の活性中心になぜヒスチジン His が位置することが多いのかなどが説明できるようになる。

以下のページを順に読むとわかりやすいように書いたつもりなので、参考までに。

  1. 質量作用の法則と平衡定数
  2. ルシャトリエの原理
  3. 酸・塩基の定義
  4. 水のイオン積と pH
  5. 解離定数
  6. 緩衝液 buffer について

アミノ酸の共通部分は、COOH および NH3+ の 2 つの官能基をもっているが、重要なのは COOH 基の pKa は低く、NH3+ の pKa は高い ということである。つまり、COOH の部分は強い酸であり電離しやすい。一方、NH3+ は弱い酸で、電離しにくいということになる。

ゆえに、以下のことが言える。

  • 生理的 pH (中性, pH = 7 付近) では、カルボキシル基は COO- に、アミノ基は NH3+ になっている。この状態を dipolar form (dipolar ion) という。
  • なお、pH < 4.0 ぐらいから COOH を、pH > 8 ぐらいから NH2 を含むアミノ酸が増えてくる (2)。
アミノ酸の基本構造 イオン
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References

  1. IUPAC-IUB Joint Commission on Biochemical Nomenclature, 1984a. Nomenclature and Symbolism for Amino Acids and Peptides. Eur. J. Biochem. 138. 9-37. Link: Last access 2018/07/25.

コメント欄のアップデート前、このページには以下のようなコメントを頂いていました。ありがとうございました。

2018/02/21 07:03 試験前にチェック! 素晴らしいです。。。


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