アミン: アンモニアの水素原子が置換された化合物

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アミンに関する上位のページです

このページの最終更新日: 2024/02/14

  1. 概要: アミンとは
  2. アンモニウム化合物

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概要: アミンとは

アミン amine とは、アンモニア NH3 の水素原子を炭化水素基 R で置換した化合物の総称 である (2)。

1, 2 および 3 個 の H が置換されたものを、それぞれ

  • 第 1 級アミン
  • 第 2 級アミン
  • 第 3 級アミン

という。アンモニア自身もアミンに含める。一般構造は、次の図 (Public domain) のように表すことができる。

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また、窒素原子だけを含む複素環式化合物 にはアミンの性質をもつものがあり、これらは一括して 環式アミン と言われる。

英語での発音は ['eɪmiːn] で「エイ」にアクセントがある。amino [ə'miːnəʊ] とは a の読みもアクセントの位置も違うので注意すること。


以下の項目で述べるように、アミンは 相当に上位の概念 である。たとえば アミノ酸 amino acid は NH2 に CHR-COOH が結合していると考えれば、第 1 級アミンにあたる (図、アミノ酸の一般式。R には様々な官能基が入る)。

アミノ酸の一般式

このサイトには、例えば以下のようなアミンのページがある。その他の代謝産物の目次 やサイト内検索も参照のこと。

アミン

  1. アンモニア
  2. コリン
  3. セロトニン
  4. スペルミン

カテコールアミン

  1. ドーパミン
  2. ノルアドレナリン
  3. アドレナリン: とりあえずはカテコールアミンのページを参照のこと。
  4. ホモバニリン酸

なお、アミド amide は、オキソ酸と 1 級または 2 級アミンが脱水縮合したものをいう。一般には、-COOH 基をもつカルボン酸がオキソ酸のカルボン酸アミドを、単にアミドという場合が多い。


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アンモニウム化合物 Ammonium compound

窒素の最外殻電子は 5 個である [1s22s22p3]。よって窒素は 3 つの官能基と共有結合を形成した状態で、残った電子対によりさらに配位結合 coordinate bond を形成することができる。もっとも一般的にみられる例はアンモニウム ammonium NH4+ である。

NH4+ およびその H を炭化水素基などで置換した化合物を アンモニウム化合物 ammonium compound という (2)。


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References

  1. 福井 2018a. 細胞内スペルミン濃度の生理的な変化による遺伝子メチル化への影響に関する研究. 自治医科大学博士論文.
  2. 岩波 理化学辞典 第 4 版.

このサイトでは、私が持っている 1987 年の第 4 版を引用していることが多い。1998 年に第 5 版が発行されている。

ネット情報の問題点の一つは、信頼できる定義になかなか出会えないことである。Wikipedia には定義らしいことが書いてあり、普段の調べ物には十分なことも多いが、正式な資料を作るときにはその引用は避けたいものである。

そんなときに役に立つのが理化学辞典や生化学辞典。中古でも古い版でもよいので、とにかく 1 冊持っておくと仕事がはかどる。

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