生命の起源:
自然発生説、パスツールの実験、RNAワールド仮説など

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2017/12/04 更新

  1. 概要: 進化という概念の発展
  2. 自然発生説とパスツールの実験
  3. RNA ワールド仮説

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概要: 進化という概念の発展

生命の多様性に対する考察ははるか昔から存在し、古くはプラトン (B.C.427-347) やアリストテレス (B.C.384-322) がヒトを頂点とした生命観を提唱した。彼らの説では、種は不変のものであり、したがって進化 evolution という概念もなかった。この説は創造説として発展し、広く信じられていた (1)。

1700 年代、ヨーロッパの人々は世界に進出し、生命が非常に多様であることを発見した。しかも、ごくわずかな形態的な違いしかない種が多数存在しており、神がこれらをいちいち創造したというのは考えにくく、生物が変化しているという概念が生まれた。

変化するメカニズムとして、Lamark は獲得形質の遺伝 inheritance of acquired characteristics を提唱。また Darwin や Wallace は自然選択 natural selection による進化を唱えた。

進化の概念を受け入れると、「最初の生命はどんなものだったか」という疑問が生じる。このページでは、生命の起源に関する諸説についてまとめる。


自然発生説とパスツールの実験

当初、人々は「生命は無生物から自然に発生する」という自然発生説 spontaneous generation を信じていた (1)。ウジは肉から、微生物は肉汁から、ウナギは泥から、ネズミ は汗臭いシャツと小麦から自然に発生するとされた。

自然発生説を否定した 1800 年代中盤の Pasteur の実験 は有名である。Pasteur は殺菌した肉汁から微生物は自然発生しないこと、また殺菌した肉汁を空気に晒すと微生物が発生することを示した。


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RNA ワールド仮説

1920 年ごろ、Oparin と Haldane は複雑な有機化合物が自然に合成されること、反応性の高い 酸素 の存在がそれを阻害することを示した (1)。

有名なのは 1953 年の Miller の実験である。酸素を含まない空気中で単純な有機化合物を加熱し続けると、アミノ酸、ペプチド、核酸、ATP などが合成された (1)。これらの物質が泥の表面などに蓄積し、生命の起源となったのではないかと考えられている。

生命の定義 は成長・増殖・維持である。したがって、次のステップは蓄積した分子が自分と同じものを複製できるようになることである。原生生物は DNA を遺伝情報の維持に使っているが、太古の生物は RNA を使っていたと考えられている (1)。これを RNA ワールド仮説 という。

この説の根拠は、RNA が触媒機能をもつことである (1)。DNA の場合、複製には タンパク質 が必要であるが、そのタンパク質の情報は DNA にコードされている。つまり卵と鶏の関係になってしまうのである。RNA は、少なくとも以下のような触媒機能をもちうることが示されている。

  1. 他の RNA 鎖を切断する
  2. 複数の RNA 鎖を結合する
  3. ペプチドにアミノ酸を付加する


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References

  1. Amazon link: Audesirk et al. 2013a. Biology: Life on Earth.